2019 Fiscal Year Annual Research Report
International standardization of safety evaluation for millimeter wave exposure using large-scale accurate computation
Project/Area Number |
17K06288
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Research Institution | Kitami Institute of Technology |
Principal Investigator |
柏 達也 北見工業大学, 工学部, 教授 (30211155)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
田口 健治 北見工業大学, 工学部, 准教授 (60435485)
平田 晃正 名古屋工業大学, 工学(系)研究科(研究院), 教授 (00335374)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | 人体ばく露 / ドシメトリ評価 / ミリ波 / 皮膚のモデル化 / 国際標準化 / 安全性評価 / スーパーコンピュータ |
Outline of Annual Research Achievements |
令和元年度は「大規模精密解析に基づくミリ波帯の人体ばく露安全評価と国際標準化」として、以下の研究を実施した。 現在、28GHzを主要な周波数帯域とする第5世代移動通信システム(5G)の開発が進められており、これまで、3GHzないしは10GHzまでをSARの適用上限周波数とされていたが、ICNIRPガイドラインでは、全身平均SARの適用が300GHzまで拡大、またIEEE規格では、全身ばく露に対する参考レベルを引き下げる予定である。しかしながら、6GHz以上の全身ばく露に対する根拠は未だ不足している。 6GHz以上の周波数帯ドシメトリ評価の問題点のひとつに、人体モデリングの信頼性が挙げられる。電波の浸透深さがミリメートル程度になり、電波はほぼ皮膚組織に吸収されるため、皮膚の厚さのモデル化が重要となる。GHz帯における全身平均SARは、皮膚の厚みに影響されるため、より現実に近い皮膚のモデル化が必要となる. 本研究では、前年度までの研究成果である電磁界解析プロブラムのスパコン用チューニング技術を活用して以下の成果を得た。 6GHz以上の周波数帯における人体ばく露解析を行い、全身平均SAR導入の根拠、また対応する許容電力密度の設定を目的に、数値ドシメトリ評価のための数値人体モデルの改良を行い、GHz帯におけるSARに対する皮膚厚みの影響について考察した。その結果、皮膚厚みが小さくなるほど、全身平均SARの極大値が大きくなること、また、その際の周波数が高くなることを示した。また、25GHz以上では、人体ボクセルモデルのスムージングによる影響が大きくなることも示した。さらに、皮膚厚みを小さくした場合、ICNIRP参考レベルにおける全身平均SARが2GHzでは、基本制限を超えるという重要なことを示唆した。
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