2018 Fiscal Year Research-status Report
Research on System Integration of Electric Vehicles and Renewable Energy Sources
Project/Area Number |
17K06316
|
Research Institution | Tokyo City University |
Principal Investigator |
太田 豊 東京都市大学, 工学部, 准教授 (50372537)
|
Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2020-03-31
|
Keywords | 電気自動車 / 再生可能エネルギー / V2G / HILS |
Outline of Annual Research Achievements |
再生可能エネルギーが大量に導入された電力系統の需給調整を電気自動車が積極的に貢献する, V2G制御手法を設計した。電力系統へのV2G制御を実施する際には, 電気自動車が接続される配電系統の局地的な需給アンバランスや電圧変動等を引き起こす可能性が考えられる。これに対して電気自動車の充電スタンドの無効電力供給能力を活用することで, V2G制御の制御量を最大限活用できるようにする補助的な制御を設計・提案した。 電気自動車と有効電力・無効電力の同時電制御可能な充電スタンドの実車両システムを, 電力系統リアルタイムシミュレータと連成させるHILS(Hardware-In-The-Loop Simulation)環境を構築し, 提案したV2G・無効電力制御手法を実装することで, 機能性, 実現性, 有効性の検証を行った。電気自動車が配電系統の複数地点で有効電力・無効電力を比較的高速応答で同時に制御する提案制御を実施する際には, 電力系統のダイナミクス, 配電系統の電圧潮流分布, 電気自動車のインバータの間の相互作用や複数台の制御干渉が懸念される。このため, 電気自動車の実車システムを2式, 配電系統のトップ・エンドノード2地点に導入する試験を実施し, 提案制御が有効に機能することを確認した。 同様な研究活動を実施している, デンマーク工科大学との交流を東京都市大学で開催し, 制御手法や電力系統・配電系統の想定環境など, 有効な情報交換を行うことができた。また, 英国で電気自動車V2Gの大規模実証を開始した, ニューキャッスル大学の評価システムを東京都市大学でも採用することとし, 再生可能エネルギーからの充電とV2G制御のパフォーマンス評価方法を国際実証と合わせることとした。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
再生可能エネルギーが大量導入された電力系統・配電系統で有効となる電気自動車の新たな制御手法を提案し, 電気自動車実車両を利用した試験環境への実装と有効性の検証を完了しているため。また, 国際拠点との情報交換や制御手法・試験方法のフィードバックも有効に行うことができた。
|
Strategy for Future Research Activity |
2018年度に設計・検証を完了した研究成果を国際会議等で発表し, 改善点やさらなる課題の洗い出しを行う。米国(カリフォルニア, ハワイ), 中国, スウェーデンなどの電気自動車・電力系統の研究拠点との意見交換を進め, 共同研究や試験サイトを結んでの共同試験の可能性を検討する。また, 再生可能エネルギーのシェアが支配的な電力系統・配電系統の環境で必要とされるといわれている, Synthetic InertiaやGird Formingといった先進制御手法の設計と実装を進めてゆく。
|
Causes of Carryover |
国際交流を日本で実施することができたため, 旅費の使用を必要としなかった。 次年度の海外拠点での交流と、試験実施に利用する計画である。
|