2017 Fiscal Year Research-status Report
Development of a new module type switch using next generation semiconductors
Project/Area Number |
17K06334
|
Research Institution | Japan Atomic Energy Agency |
Principal Investigator |
高柳 智弘 国立研究開発法人日本原子力研究開発機構, 原子力科学研究部門 J-PARCセンター, 研究主幹 (10354755)
|
Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2020-03-31
|
Keywords | 次世代パワー半導体 / SiC-MOSFET / 多重化回路 / スイッチング回路 / 放射対称型回路 / 線対称型回路 / 回路インピーダンス |
Outline of Annual Research Achievements |
高周波特性に優れ低損失な次世代パワー半導体の一つであるSiC-MOSFETを使用し、大電力高速短パルス出力を可能とするスイッチ回路の設計と製作を行い評価した。 本研究で開発した素子間の距離が等しくなるように円環状に素子を配置する放射対称型の並列回路構成のスイッチは、回路間の伝搬距離差が無く波形歪みを抑えることが可能である。評価試験では、比較用として一般的な線対称型の並列回路スイッチも用意した。線対称型回路は、2つの素子を線対称に配置し、その距離を放射対称型と等しくした対向基板をベースとして、回路基板の距離が50mmと300mmの2種類とした。3種類のスイッチにて各出力電圧波形を測定し、回路構成と伝搬距離の違いによるパルス波形への影響を評価した。 評価の結果、パルス波形の立ち上がり時間は、放射対称型が最も速かった。また、波形歪みが少なく、ピークと減衰の形状も急峻となり、高速短パルススイッチとして理想的な波形形状であった。線対称型回路の場合でも、半導体素子用のトリガゲートを遅延補正回路で調整すれば原理的に伝搬距離差を補正することは可能である。しかし、回路数が多いと調整は困難になり、更に、インダクタンスや浮遊容量によって波形が歪む傾向がある。また、回路設計においても、放射対称型は並列回路の距離を等しく、且つ、回路長を短くして回路インピーダンスを低くすることが線対称型よりも容易であった。以上の事から、本設計で開発した放射対称型スイッチ回路は、多重化回路構成に非常に有用であることも確認できた。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
回路設計と製作を終え、次年度に実施予定の評価試験を実施することができた。更に、評価試験の結果が想定した内容通りであった。本研究は順調に進んでいる。
|
Strategy for Future Research Activity |
並列回路での評価を終え、直列回路にて更なる高電圧での試験を実施する。本評価試験を実施することにより、並列接続だけでなく直列接続にて多重化した超高速パルススイッチを実現する回路構成の確立に見通しを立てる。
|