2018 Fiscal Year Research-status Report
Development of a new module type switch using next generation semiconductors
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17K06334
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Research Institution | Japan Atomic Energy Agency |
Principal Investigator |
高柳 智弘 国立研究開発法人日本原子力研究開発機構, 原子力科学研究部門 J-PARCセンター, 研究主幹 (10354755)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | 高周波 / 半導体スイッチ / SiC-MOSFET / パルス出力波形 / 低インピーダンス化 / 環状型銅リング回路 |
Outline of Annual Research Achievements |
高周波特性に優れ低損失な次世代パワー半導体の一つであるSiC-MOSFETを使用し、大電力高速短パルス出力を可能とするスイッチ回路の設計と製作を進めている。 これまでの試験で、本設計で開発した放射対称型スイッチ回路は、パルス波形の立ち上がり時間を高速にし、且つ、波形歪みが小さい理想的な急峻形状とすることを確認した。 しかし、測定データと回路構造の関係を再評価したところ、更に理想的なパルス波形形状にて出力が可能になる電路形状を着想した。これは、電流出力回路において、一般的に使用する同軸路を複数本使用する方法ではなく、円リングの環状型路とすることで、高速短パルスの出力特性に対し、より低インピーダンス化を実現するものである。 開発した放射対称型スイッチ回路に適用した環状型銅リング形状の電流出力回路を製作し、出力電流波形の比較評価を実施した。その結果、回路インダクタンスに対し約10%の低減化を実現した。さらに、出力波形を比較評価した結果、出力波形の振動が解析した結果通り10%改善した。本年度の試験により、回路構造と電路形状の両方の最適化を実現した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
当初の計画では、半導体スイッチ回路において、半導体スイッチの素子の配置形状を最適化し、汎用モジュールを開発することであった。しかし、試験を進める中で、半導体スイッチ回路の構成だけでなく、電流出力回路の形状にも踏み込んだ最適化の試験を行い、評価することができた。
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Strategy for Future Research Activity |
本研究開発で得た成果を、加速器やパルス電源関係の国際会議等で発表する。そして、実用化と更なる高度化につながる議論を専門家と行う。
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Causes of Carryover |
本研究の開発目的は、次世代半導体を用いた新しいモジュール型スイッチの開発である。特に、短パルス波形出力用は、パルス波形のピークと減衰の形状が急峻且つ歪みが少ないことが理想的な波形形状である。昨年度の研究開発にて、この実現の見込みを得ることができた。 しかし、実用化を検討した場合、波形形状に最も影響する出力部のインダクタンスの低減を実現し、理想的なパルス波形形状を追究することは、高性能且つ汎用性がある半導体スイッチの実現には必要不可欠である。 以上のことから、計画していた高電圧出力試験とその試験に必要な複数枚のモジュール基板の購入を取りやめ、インダクタンス低減の為の環状型銅リングの電流回路の製作に変更した。そして、想定通りの結果を得ることができたため、次年度は、国際会議で成果を発表する。そして、得た情報から更なる高度化に必要な試験を実施する。
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