2019 Fiscal Year Research-status Report
テラヘルツ波高時間分解能オシロスコープの実現に向けた波長変換技術の開発
Project/Area Number |
17K06411
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Research Institution | National Institute of Information and Communications Technology |
Principal Investigator |
齋藤 伸吾 国立研究開発法人情報通信研究機構, 未来ICT研究所フロンティア創造総合研究室, 主任研究員 (80272532)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
梶 貴博 国立研究開発法人情報通信研究機構, 未来ICT研究所フロンティア創造総合研究室, 主任研究員 (40573134)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | テラヘルツ / ポリマー / 非線形光学 / 時間分解測定 |
Outline of Annual Research Achievements |
大容量通信のためのキャリアとして期待されるテラヘルツ帯信号源(テラヘルツ帯漁師カスケードレーザー、単一走行キャリアフォトダイオード、共鳴トンネリングダイオード等)の高速応答性に対する評価は行われていない。それは高速応答できる検出器がないためである。本提案ではパルスレーザー技術および高非線形性を持つ有機電気光学(EO)ポリマーを利用して、高時間分解能テラヘルツ帯信号検出システムを構築し、テラヘルツ帯高時間分解能オシロスコープの原理動作を実証し、大容量通信に向けた計測評価技術開発を行うことを目的としている。 具体的には、テラヘルツ波と波長800nm付近のピコ秒パルスとの和周波信号をEOポリマーで高効率で発生させ、さらにパルス光を時間分解のためのゲートとして利用することで、これを実現するものである。 初年度はテラヘルツ量子カスケードレーザーで発生させたテラヘルツ波と1μm帯の強力なパルス光の和周波信号を発生できることを実験的に確認した。また、和周波信号を高効率で発生するために重要なEOポリマーを導波路構造とする研究開発を行い、テラヘルツ波の発生に成功した。 2年度目は、検出光学系と有機非線形ポリマーとがそれぞれ性能が発揮できる波長帯に差異があることが明らかとなり、レーザー光源、フィルター光学系、分校光学系の検討、ポリマー座9両の検討を行なった。 3年度目は、780nm付近に高い性能を持つ導波路構造を持つポリマーを開発した。確認用の光源のトラブルのため、実証実験を翌年度に持ち越した。 また、研究成果の一部は、論文、学会等で発表を行った。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
研究期間2年度まで、検出光学系、有機非線形ポリマーに関する予備実験は、順調に進展した。しかし、検出光学系と有機非線形ポリマーとがそれぞれ性能を発揮できる波長帯に差異があることが明らかとなり、本年度は、こうがk樹形、ポリマー材料の検討を行い、3年度目は近赤外光領域をターゲットとして、それぞれの研究開発を進め、780nm付近に高い性能を持つ導波路構造を持つポリマーを開発した。しかし、確認用の光源のトラブルのため、実証実験を翌年度に持ち越した。 以上の理由から、本研究課題はやや遅れていると考える。
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Strategy for Future Research Activity |
確認用レーザー光源を修理することで、持ち越した確認実験を行う。
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Causes of Carryover |
研究開発に使用していたレーザー装置が破損したため、予算を次年度に持ちこして研究を行うこととしたため。
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