2018 Fiscal Year Research-status Report
マルチメディア信号処理による波動粒子相互作用発生域の高精度リモートセンシング
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17K06456
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Research Institution | Kanazawa University |
Principal Investigator |
尾崎 光紀 金沢大学, 電子情報通信学系, 准教授 (70422649)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
平野 晃宏 金沢大学, フロンティア工学系, 講師 (70303261)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | 波動粒子相互作用 / 時間周波数解析 / 動輪郭モデル / 自然電磁波 |
Outline of Annual Research Achievements |
非定常雑音の代表としてパルス性雑音の低減について特に検討を進めた。非定常雑音は標準モデルを作成することが困難なため、現象の継続時間に対し十分に短い時間しか生じないという特性を利用し、近接するパルス性雑音ではない時間帯の平均信号として補完することとした。この際、パルス性雑音候補から雑音と信号の分類は機械学習を導入し、約90%の正当率を得た。前年度までの雑音低減手法と動オブジェクト抽出処理を用いて、通常より高いエネルギーの電子降り込みを表す脈動オーロラとフラッシュオーロラ現象が数百ミリ秒オーダーから数十ミリ秒オーダーで磁気圏の電磁波コーラスの振幅変化と関連していることを観測データから世界で初めて見出した。このような磁気圏のプラズマ波動と降込み粒子の高速な時間変化の対応関係は、広く使われている準線形理論では説明することができず、非線形現象が深く関与していることを表す重要な成果となる。また、高速な時間変化と共に、拡大縮小する特徴的なオーロラ現象の形状変化を伴うことを明らかにした。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
衛星で観測された磁気圏での電磁波データ、衛星と磁力線でつながる地上観測点で撮像された電子オーロラの共役観測結果を詳細解析し、両者の数百ミリ秒以下の対応関係を世界で初めて観測から明らかにした。これらの研究成果はプレスリリースを行い、新聞などのメディアにとりあげられた。また、電磁波と降下電子の観測時間差から推定した波動粒子相互作用領域の発生域が、理論などから報告されていた磁気赤道近傍に位置することを示し、従来の観測とも矛盾のないことを確認している。
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Strategy for Future Research Activity |
磁気圏のコーラス波動と呼応したオーロラ現象には数百ミリ秒で拡大・縮小変化を示していた。これは、点波源の波動粒子相互作用領域から磁力線に沿って伝搬するコーラス波動との共鳴によって生じるものなのか、発生源が面波源としての特徴を示しているのかをレイトレーシング解析より検証を進める。拡大・縮小変化をもたらす支配的なパラメータを明らかにし、研究の総括を行う。
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Research Products
(12 results)
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[Presentation] Multi-event analysis for 1 Hz modulation of pulsating proton aurora associated with Pc1 geomagnetic pulsations2018
Author(s)
T. Inoue, M. Ozaki, S. Yagitani, K. Shiokawa, Y. Miyoshi, R. Kataoka, Y. Ebihara, R. Nomura, K. Sakaguchi, Y. Otsuka, M. Connors
Organizer
JpGU 2018
Int'l Joint Research
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