2019 Fiscal Year Annual Research Report
Study on insolubilization treatment by neutralization of acid sediment containing natural arsenic
Project/Area Number |
17K06566
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Research Institution | Kyushu Sangyo University |
Principal Investigator |
林 泰弘 九州産業大学, 建築都市工学部, 教授 (50274692)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | 酸性土 / 中性化処理 / 酸性化可能性試験 / 促進養生 / 酸性化剤 / アルカリ資材 / 長期特性 / 有機物 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では掘削後に酸性化する土(以下,酸性土と称する)に中和資材(アルカリ資材)を添加し,土を長期にわたり中性域に調整する方法を検討し,酸性化に伴って溶出するヒ素の溶出抑制効果を経時的な変化を含めて検討することを当初の予定としていた。しかし,実験に適した土用環境基準を超えるヒ素を溶出する酸性土を入手できなかったため,複数の対象土を対象に人工的に酸性土を作製して,アルカリ資材を添加することで中性化処理土を作製することにした。 昨年度までは,硫酸を添加した酸性土に対しての中性化にふさわしいアルカリ資材を炭酸カルシウムと酸化マグネシウムに絞り込むことができた。また,中性化処理土の長期的なpHを短期間に評価する方法として,試料の促進養生方法とpHの測定方法を検討し,乾湿繰返し試験の養生で酸性化可能性試験によるpHが最も有効であり,特に酸性化可能性試験が適切であることを明らかにした。 最終年度は酸性土の性質とpHを長期的に中性域で安定させるために必要なアルカリ資材の添加率(必要アルカリ添加率)の関連性について検討した。酸性土は原土および加える酸性化剤の種類や量が異なるものでpH≒3となるものを準備した。酸性化剤には硫酸のほか有機物に着目し,植物活性剤やフミン酸を用いた。硫酸を添加した酸性土に比べ有機物を添加した酸性土の必要アルカリ添加率は大きいことや原土の種類の違いの影響が大きいことを示した。酸性土の特性を一元的に示す評価指標を検討したが,最も関連の深い強熱減量であっても,必要アルカリ添加率との関係において原土や添加した酸性化剤の種類によって異なる傾向を示した。原土の含有する粘土鉱物の影響も考慮すべきであると考えている。
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