2018 Fiscal Year Research-status Report
戦前・戦災復興都市計画にみる景観形成理念とその現代的意義の検証に関する研究
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17K06598
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
川崎 雅史 京都大学, 工学研究科, 教授 (20195077)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
山口 敬太 京都大学, 工学研究科, 准教授 (80565531)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | 都市計画 / 景観 / 公園 / 風致 |
Outline of Annual Research Achievements |
本年度の研究実績としては、戦前戦後の日本全国の主要都市における都市計画公園および風致地区指定の計画理念について、その計画理念と事業化の過程を把握するための資料調査を進めた。なかでも、戦災復興都市計画により河川沿い緑地が計画され、実現した7都市(前橋市、富山市、呉市、広島市、宇部市、鹿児島市、徳島市)を主たる研究対象として分析を進めた。その成果の一部については、「戦災復興都市計画における河川沿い緑地計画に関する研究」(三輪潤平,山口敬太,川﨑雅史,都市計画報告集 No.17, pp.277-282, 2018年8月)として発表を行った。広島市においては河川沿い緑地の構想が種々の人々によって唱えられ、河川の美を生かすために計画されたが、これに対し呉市、宇部市、鹿児島市、徳島市においても「都市美」や「美観」、「観光」に寄与するねらいをもって河川沿い緑地計画されたことを明らかにした。また、人工河川沿いに公園道路が計画された前橋市と富山市においては、水辺を散歩道として確保して公園間をつなぐという構想の存在を明らかにした。 また、大阪市については、戦後の緑化政策の一環としての緑道整備に着目し、その実態を把握した。その成果の一部については、「都市における緑道の計画・形成に関する歴史的考察」(黒島大樹,山口敬太,川﨑雅史,土木計画学研究・講演集 No.57,CD-Rom,29-04, 8p,2018年6月)として発表を行った。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
戦災復興都市計画により河川沿い緑地が計画され、実現した7都市(前橋市、富山市、呉市、広島市、宇部市、鹿児島市、徳島市)については、資料調査と分析を進めることが出来たという点で、研究はおおむね順調に進んでいるといえる。
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Strategy for Future Research Activity |
2019年度は、日本における戦災復興都市計画における都市計画公園の計画理念について調査研究を進める。なかでも、河川沿に緑地以外にみる都市公園や風致計画の特徴について、計画理念と事業化の過程を把握するための資料調査を進める。
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Causes of Carryover |
2018年度に行う予定であった調査や成果報告(学会発表、論文発表)の一部が2019年度以降にずれ込んだため。
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Research Products
(3 results)