2020 Fiscal Year Research-status Report
The prediction and control of traffic violation based on habitual behavior theory
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17K06609
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Research Institution | Otemon Gakuin University |
Principal Investigator |
東 正訓 追手門学院大学, 心理学部, 教授 (90238270)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | 信号無視 / 計画的行動理論 / 習慣 / 衝動性 / プロトタイプウィリングネスモデル / 注意制御 |
Outline of Annual Research Achievements |
信号無視行動の規定因に関する構造モデルを構築する準備として、計画的行動理論、習慣理論にprototype willingness model(PWM)を接続した調査データを探索的に分析した。2020年12月9日(水)~2020年12月10日(木)の期間中に、茨城県、静岡県、福岡県でインターネット調査が行われた。運転頻度の質問で「全く運転しない」と答えた人を除外した。5つの年齢区分で男女合わせて130~170人を目標とした。全体で、2484名(男女ともに1242人)であった。調査には計画的行動理論の基本変数と習慣尺度に新たに信号無視意図を加えた。さらにPWMのリスク行動の機会や状況を受け入れてしまう誘発状況への開放性、典型類似性、典型好意度(信号無視をよくする人を典型)、報酬感受性、注意の制御尺度のフルバージョンを加えた。前回調査で信頼性が低かった信号順守能力尺度、信号順守否定的感情の信頼性を確認した。回帰分析によれば、信号無視行動の間接的測度として用いた「自己報告行動」を最も強く規定したのはPWMが行動の直接的要因とする「誘発状況への開放性」であった。そのため、PWMが有効であると考えられた。TPBに従う信号無視意図も規定力を示し、TPBとPWMの両方が有用であると考えられた。そして自己報告行動で測定された信号無視行動は自動的過程と熟慮的過程に影響を受けるが、自動的過程により強く規定されていると見られた。TPBの信号無視意図の規定因をみると、典型類似性や典型好意度に規定されていたことから、熟慮的過程と自動的過程の両方から規定されると考えられた。また、信号無視習慣も信号無視行動に影響力を持つことが示され、その有用性が示された。その信号無視習慣は、PWMの典型類似性に強く影響を受け、認知的態度からも影響を受けることから、自動的過程と熟慮的過程の両方の影響を受けていると見られた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
昨年度調査で内的整合性信頼性が低かった尺度について、項目の追加と表現の改善をおこない、再検討した結果、全尺度において許容できる信頼性を確保できた。
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Strategy for Future Research Activity |
速度超過運転行動を予測理解するために構築したモデルに、Prototype willingness model(PWM)を接続することを計画中である。そのために速度超過運転に関するPWMの測定項目をまず開発する必要がある。これまでの信号無視行動の調査結果を参考として項目作成と調査図式を立てることにしている。
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Causes of Carryover |
調査を依頼した会社による値引きによって生じた。今年度のインターネット調査の予算に組み込んで使用する予定である。
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Remarks |
研究代表者による論文博士請求論文(学位授与年月日:2020年3月25日)「計画的行動理論と習慣理論に基づく交通違反行動の予測と理解」の本文PDFの公開
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