2018 Fiscal Year Research-status Report
Investigation of effects of thermal and optical stimulations on phyisology, psychorology, and dynamic adaptation for pedestrians in outdoor space
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17K06672
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Research Institution | Nara Women's University |
Principal Investigator |
吉田 伸治 奈良女子大学, 生活環境科学系, 准教授 (50343190)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | 温熱環境 / 熱・光刺激 / 行動的適応 |
Outline of Annual Research Achievements |
平成30年度は、 (1) 屋外環境実測による暑熱環境下の光(日射)と適応行動の関係分析、(2) 熱・光刺激を考慮した環境適応行動のモデル関数の提案、(3) 熱・空気(気流)・光環境の連成数値解析技術に基づく屋外複合環境評価技術の開発、の3つの課題に取り組んだ。(1)については、具体的には、大学キャンパス内の中庭空間を対象に屋外温熱環境と適応行動の関係を分析するための実測を行なった。なお、この実測は、奈良女子大学キャンパス中庭を対象に行われ、調査を7月下旬(2018年7/24-27)、11月中旬(2018年11/13-16)の二つの時期(季節)に行うことにより、夏ー秋の季節変化が歩行者の行動的適応に与える影響を明らかとすることを試みた。その結果、①夏季屋外暑熱空間の行動的適応に対する日射環境の影響が大きいこと、②夏―秋の季節変化に伴い、その傾向が全く異なるものになること、③①の傾向は研究代表者が以前行なった計測で得られた関係と非常に近い関係が得られており、得られた関係の信頼性が高いことが確認できること、が明らかとなった。(2)では、(1)で得られた関係を元に全天日射量と日除け対策の関係を表すモデル関数が得られた。(3)については、評価技術を開発するための「屋外温熱・光環境解析システム」を導入し、開発環境を整備した。 また、本研究に関して、原著論文(英文)を1編、学会発表を2件行い、成果発表に努めた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
研究実績で示した「(3) 熱・空気(気流)・光環境の連成数値解析技術に基づく屋外複合環境評価技術の開発」については、評価技術の核となる部分の構築(プログラミング)に時間がかかり、やや遅れている。平成30年度は自身の健康上の問題なども生じたこともあり、研究活動をやや抑えたことも理由の一つである。自身の健康上の問題は快方に向かっているため、令和元年度は、研究の取り纏めに向けて着実に努力したい。
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Strategy for Future Research Activity |
今後(令和元年度)は、当初の計画に従い、以下の研究に取り組む予定である。 1. 熱・空気(気流)・光環境の連成数値技術に基づく屋外複合環境評価技術の開発 2. 実測、数値解析による実街路空間内の暑熱・グレア環境下の歩行者の適応行動の評価 3. 研究全体の取りまとめ 具体的には、1については、前年度から取り組む技術開発を継続し、評価技術のプロトタイプを作成する。2については、前年度行った実測をはじめとする過去の実測データ、ならびに必要に応じて行う追加実測の温熱・光環境に対応する数値解析を行い、1で開発する評価システムの精度を確認する。最後に3では、3年間の研究内容を確認し、成果を取り纏めると同時に今後の課題を明らかとする。
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Research Products
(3 results)