2018 Fiscal Year Research-status Report
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17K06740
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| Research Institution | Sojo University |
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Principal Investigator |
秋元 一秀 崇城大学, 工学部, 教授 (90299660)
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2017-04-01 – 2020-03-31
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| Keywords | 集落再生 / 墓地 / 墓まつり / お法師祭り / 集落の変容 |
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| Outline of Annual Research Achievements |
共同空間を介した集落再生に関し、主に以下の2つの点で研究をすすめた。
ひとつは墓地に着目し、それを介した共同性の維持と課題を明らかにした。南阿蘇村及び西原村の集落を対象に、前者に対しては、まず集落構成に関して過去に行った調査結果との比較を通し、経年的及び震災の影響を考察した。次に両村の集落の墓地に対し、位置、形態及び変容を捉え、墓地の維持の要因のひとつがその立地と関係しており、更に、そこで執り行われている墓祭りに着目し、祭り自体が震災後現在まで重要な習俗であることを確認するとともに、墓地の変容、特に納骨堂化に伴い墓祭りが行われなくなる傾向にあることを明らかにした。現代社会一般でも墓地の維持は課題であり、その管理組織の実態に関しては、その活動も含めて今後の課題である。
もうひとつは益城町の津森神宮を中心として執り行われるお法師祭りに注目した。益城町、西原村、菊陽町の12の集落を1年ごとに12年かけてまわる祭りであることから、それらの集落には祭りを担う期間、共通した空間性が現れ、集落内外のコミュニティの維持・再生に寄与していることが考えられることから、本年度は祭りの実態を戦後昭和期と現代において把握し、特にその間の変容と熊本地震後の祭りの実態を考察した。全体としては祭りを中心的に担うお法師屋の世襲制、お仮屋の仕様や巡行の手段など変化して点もあるが、担当する集落にとっては重要な祭りであり、実施のために参加者の確保や資金は大きな課題となっているようである。今後は変化の内容を集落の変容との関係から捉えるとともに、祭りにかかわる組織の実態を運営を含めて明らかにすることが課題である。
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| Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
上記の研究実績であげた項目以外に、平成30年度の研究計画では、前年に調査を行った集落内の広場や公園に対して、仮設住宅が建設された場合とそうでない場合での集落との関係性の相違、集落との関係保持の仕組みに関する調査・考察を行う予定であった。また同様に、前年に調査を行った益城町の集落におけるお堂に対して、再建過程及びそこでのコミュニティの実態と集落再生への関わりを調査・考察を行う予定であった。これらに関しては現在進行中で今年度にかけて行う予定であることから、“やや遅れている”と判断した。
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| Strategy for Future Research Activity |
上記の現在までの進捗状況であげた、集落内の広場や公園に対する、仮設住宅が建設された場合とそうでない場合での集落との関係性の相違及び集落との関係保持の仕組みに関する調査、並びに、益城町の集落におけるお堂に対する、再建過程及びそこでのコミュニティの実態を調査し、集落再生への関わりを考察する予定である。
また、上記の研究実績であげた項目に関して、墓地に対してはそこで執り行われている墓祭りに着目し、その実態を調査し、過去の調査結果との比較及び南阿蘇村と西原村での相違点を明らかにするとともに、墓地の管理を含めて、管理・運営組織の実態を、その活動も含めて考察する予定である。さらに、お法師祭りに関しては、祭りの変化の内容を集落の変容との関係から捉えるとともに、祭りを担う組織の実態を運営を含めて考察する予定である。
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| Causes of Carryover |
現地調査は大学の公用車等の使用により、旅費を計上することなく次年度使用額が生じた。今後、調査内容をとりまとめるにあたり、文献の購入、調査及び成果発表にかかる旅費、並びに、調査データの整理のためのアルバイト費などに使用する。
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