2017 Fiscal Year Research-status Report
高振動レベル下における圧電セラミックスの縦効果および反共振特性の測定
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17K06805
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Research Institution | Nagaoka National College of Technology |
Principal Investigator |
梅田 幹雄 長岡工業高等専門学校, 電子制御工学科, 教授 (00342478)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | 高速電力増幅器 / 解析ソフト / 電気的過渡応答法 / 振動レベル特性 / 圧電トランス |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は圧電縦効果セラミックス素子における振動レベル特性を測定する手法,及び圧電横効果素子の反共振下における振動レベル特性を測定する手法を提案し,それぞれの特性を測定することを目的としている。 このため,まず,電源を高電圧化・高周波化するための整備を行なった。バイポーラ型高周波電力増幅器を導入し,今まで研究で用いてきた圧電横効果縦振動子に対し電気的過渡応答法で共振下における振動レベルを測定したところ,過去のデータと同等の結果を得ることが出来た。また,電気的過渡応答法で解析に使用する専用ソフトを導入し,従来の解析結果と比較したところ,同等の結果を得ることが出来た。さらに,解析時間も約半分に短縮された。以上より,導入した電源および解析ソフトの信頼性が確認でき,作業の効率化も実現できた。 これらの装置を用いて,圧電縦効果測定に関する準備実験及び反共振測定に関する準備実験として,横効果及び縦効果の複合振動子としてみなされるローゼン型圧電トランスの出力端子短絡時における振動レベル特性を電気的過渡応答法で測定した。その結果,高振動レベル領域では機械的損失が増大し,見かけの弾性定数や圧電定数が変化することが確認された。 また,予備実験用の試料の発注と保持治具の設計と発注を行い,縦効果測定用の準備を行った。試料は,従来測定して来た横効果縦振動子に加え,縦効果縦振動子とこれらの寸法に見合った横効果と縦効果を複合した振動子とした。保持治具は試料の寸法に合わせて2箇所を保持することのできる電極ピン等で構成するものとした。この予備実験を踏まえ,次年度以降の研究の方向性決定の参考とする。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
高周波電源の導入と解析フソフトを導入し,以前に測定・解析したデータと同等の結果が得られた。以上より,当初目的としていた,新しく導入する電源および解析ソフトの信頼性が確認できた。また,これらの装置を用いて圧電トランスを試料とし,振動レベル特性の準備実験を実施・解析することが出来た。さらに,予備実験用の試料と治具の発注を行った。 以上より,当初の計画に対し概ね順調に進展している。
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Strategy for Future Research Activity |
電気的過渡応答法を用いた圧電縦効果振動子の振動応力特性測定法を検討する。本年度は圧電縦効果素子の振動レベル測定の測定を試みる。昨年度入手した試料と治具を用いて,予備実験を行う。この結果を基に,本実験用試料の寸法を決定する。特に試料の寸法は共振周波数や印加電圧に大きく影響を及ぼすこととなるので,注意が必要である。 次いで,測定治具を再設計する。試料の保持方法や電極面への配線について検討し,専用の測定治具を考案する。ここで,圧電縦効果素子の場合,電圧印加面が振動速度最大となるので,何らかの工夫が必要となる。また,測定冶具の保持加圧力による影響が考えられ電極パターンの工夫や加圧力調整ダンパーの導入などで対応することも考えられる。 なお,本年度行う予備実験の結果次第では,平成32年度以降に行う予定の反共振特性測定を先行することもありうる。
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Research Products
(1 results)