2018 Fiscal Year Research-status Report
高振動レベル下における圧電セラミックスの縦効果および反共振特性の測定
Project/Area Number |
17K06805
|
Research Institution | Nagaoka National College of Technology |
Principal Investigator |
梅田 幹雄 長岡工業高等専門学校, 電子制御工学科, 教授 (00342478)
|
Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2022-03-31
|
Keywords | 複合振動子 / 圧電横効果 / 圧電縦効果 / ローゼン型圧電トランス / 誤差率 / 電気的過渡応答法 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は圧電縦効果セラミックス素子における振動レベル特性を測定する手法,及び圧電横効果セラミックス素子の反共振下における振動レベル特性を測定する手法を提案し,それぞれの特性を測定することを目的としている。 今年度は昨年度に引き続き,圧電縦効果測定に関する実験及び反共振測定に関する実験として,横効果素子及び縦効果素子で構成され複合振動子としてみなされるローゼン型圧電トランスの電気的出力端子短絡時における振動レベル特性を電気的過渡応答法で測定した。振動レベルにより機械的損失や見かけの弾性定数や圧電定数が変化することの他に,振動速度や電流波形の歪として高調波成分が確認され,それぞれの高調波成分と基本周波数成分との関係を確認した。これらの結果より,複合振動子法を用いて振動レベル特性を測定することの可能性を見出すことが出来た。 その結果を踏まえ,まずは圧電横効果素子と圧電横効果素子で構成される複合振動子を用いて共振・反共振特性等を測定し,圧電横効果に関する必要定数を算出する方法を検討した。そして小振幅振動下での実験を行いその測定精度を確認した。圧電横効果素子単体での結果と比較したところ,一部の定数を除き多くの定数の誤差率は数パーセント以内で測定された。 次に,圧電縦効果素子と圧電横効果素子で構成される複合振動子を用いて共振・反共振特性等を測定し,圧電縦効果に関係する必要定数を算出する方法を検討した。そして小振幅振動下での実験を行いその測定精度を確認した。圧電縦効果素子単体で測定算出した結果と比較したところ,主要定数の最大誤差率は10パーセント以上となった。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
圧電横効果素子と圧電横効果素子で構成される複合振動子を用いて共振・反共振特性等を測定し,圧電横効果に関する必要定数を算出する方法については,小振幅下での実験結果において主要定数の誤差率は数パーセントに収まった。 一方,圧電縦効果素子と圧電横効果素子で構成される複合振動子を用いて共振・反共振特性等を測定し,圧電縦効果に関係する必要定数を算出する方法については,小振幅下での実験結果において主要定数の誤差率は10パーセント以上であった。その原因については調査中であるが,これらの原因を究明し,対策を考案するまでは,複合振動子法により振動レベル特性を測定算出する手法については一旦保留することとし,先に別の方法を検討することとした。
|
Strategy for Future Research Activity |
本年度はまず,電気的過渡応答法を用いて圧電縦振動子単体の振動レベル特性の測定を試みるが,ここでは電気的共振下での特性を測定することとする。このとき,圧電縦効果素子を高振動レベルに励起するには高い電圧で駆動する必要があると考えられるのでその駆動条件を検討し,高振動レベル励起を試みる。また,縦効果では駆動電流値が小さいのでその測定手法に注意する必要があると考えられる。 次いで,同形状の圧電横効果素子単体での電気的共振下における振動レベル特性を電気的過渡応答法により測定し,圧電縦効果素子単体での結果と比較する。ここで,電気的共振下における横効果素子の振動レベル特性の変動に比べ,縦効果素子の振動レベル特性の変動は異なるものになると推察しているが,実験でその傾向を確認しながら,理論的にその結果を検証することを試みる。 さらに,圧電縦効果素子単体での電気的共振下における振動レベル特性の測定結果より,圧電縦効果素子単体での電気的反共振特性の推定方法を検討する。
|
Research Products
(3 results)