2018 Fiscal Year Research-status Report
高耐久炭化ケイ素系水素分離膜の革新的合成手法開発と評価
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17K06901
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Research Institution | Japan Fine Ceramics Center |
Principal Investigator |
永野 孝幸 一般財団法人ファインセラミックスセンター, その他部局等, 主任研究員 (70450848)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
佐藤 功二 一般財団法人ファインセラミックスセンター, その他部局等, 技師 (20552590)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | 炭化ケイ素 / アルミナ / シラシクロブタン / CVD / ヘリウム / 水素 / 二酸化炭素 / 窒素 |
Outline of Annual Research Achievements |
これまで報告されているSiC系ガス分離膜は高い焼成温度、コーティング毎の焼成、CVI処理による熱履歴はアモルファスネットワークの緻密化につながり、実用上十分な水素透過率と水素選択透過性を両立することは困 難であった。 これらの問題を解決するため、Si-C結合を含む有機金属を出発原料として、対向拡散 CVD法にて、メソポーラス細孔内にSiC膜を合成することで水素透過率と水素選択透過性の両立を試みた。 SiC源として、シラクロブタン(SCB)を使用した。この原料は熱で-Si-CH2-Si-骨格を有する材料に変化する特徴を有している。多孔質支持基材はφ3 mm、細孔径150 nmのalpha-Al2O3基材上に Ni添加gamma-Al2O3を2層コートしたものを使用した。メソポーラス中間層の細孔径は8nmであった。CVDにおけるSCBのキャリアガスとしてAr、反応ガスとしてH2を使用した。膜のガス透過特性は純ガスを用いた減圧法で評価した。ガス種は He, H2, CO2, Ar, N2で、測定温度は50~400℃であった。 473Kにおける水素透過率は1.2E-7 mol/m2・s・Pa、H2/CO2=2600であった。CO2, Ar, N2はほぼ同じような透過率で、細孔径分布が非常にシャープであることを示していた。透過 率の温度依存性から計算した活性化エネルギーはHe 9.8k J/mol 、H2 11.2kJ/molであった。他のガスも活性拡散支配であり、極めて欠陥の少ない膜が合成されていた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
炭化ケイ素系ガス分離膜の分離性能としては世界トップレベルの数値であり、新たなカテゴリーのガス分離膜として、今後、更に研究が加速するものと思われる。
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Strategy for Future Research Activity |
炭化ケイ素系アモルファスネットワークの結合状態を解析し、生成条件、膜質とガス分離特性間の関係を検討していく。
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Causes of Carryover |
多孔質支持基材の納入が年度末までに間に合わず、来期繰り越しとした。
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Research Products
(2 results)