2020 Fiscal Year Research-status Report
数理との協働による新しい大規模構造ヘルスモニタリングシステム技術の提案
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17K06951
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Research Institution | Musashino University |
Principal Investigator |
渡辺 知規 武蔵野大学, 工学部, 教授 (50323431)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | ヘルスモニタリングシステム / マルチエージェントシステム / 安心・安全 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は,数理分野での研究成果との協働により,簡便で高精度・高効率・高信頼性のある新しい大規模構造ヘルスモニタリングシステムを開発することである.研究実施計画では,本年度は,「(構造ヘルスモニタリングシステムでの検査手順等について)たたき台となるアルゴリズムの完成を目指す」ことを実施項目のひとつとしていた.これに関し,従前から研究を行ってきたマルチエージェントシステムを応用したセンサ網の考察結果をプログラムとして実装させることができた.今後このプログラムは改良をしていく必要はあるが,実際に動くプログラムを得たことの意義は大きいと考えている.このプログラムを用いたシミュレーションを通して様々な考察を重ね,われわれが安心・安全を得ることができるための手がかりが得られると期待している.マルチエージェントシステムでは,個々の構成要素の相互作用によってシステム全体の複雑な振舞いが創発されることが知られている.このマルチエージェントシステムを応用し,これまでに,災害時の人間の避難行動を解析する取組も行うことが可能となっている.この取組を通じて,安心・安全を得るためには,具体的に人々がどのように振舞えばよいのかという行動指針の提案も行うことができた.今後も,このマルチエージェントシステムを基軸として研究を進めていくことで,本来の目的である,新しい大規模構造ヘルスモニタリングシステムの開発につなげていきたい.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本年度は,従前から研究を行ってきたマルチエージェントシステムを応用したセンサ網の考察結果をプログラムとして実装させることができ,研究実施計画の実施項目のひとつを達成することができたからである.しかし,新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の感染拡大の影響は大きいと認めざるを得ない.
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Strategy for Future Research Activity |
おおむね当初の予定通り本研究課題を進めていきたい.しかし,新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の感染拡大に起因して,社会情勢は大きく変化している.また,社会の変化や技術の革新にともない,求められる技術も変わってきていると感じている.これらは本研究開始当初からは予期できなかったことではあるが柔軟に対応をして,意義のある成果を出せるように尽力していきたい.
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Causes of Carryover |
新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の感染拡大に起因して,当初の計画を変更せざるを得ない状況となったのが大きな理由である.具体例のひとつとしては,国内・海外出張や研究協力者との接触に制限が生じたため,計画をしていた旅費や謝金を支出することができなかったことがある.今後もしばらくは研究活動等に制限が課せられることが予想されるので状況を見極めながら柔軟に対応をしていきたい.
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