2017 Fiscal Year Research-status Report
全海洋観測を促進する耐圧容器レス現場化学センサの開発
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17K06966
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Research Institution | Kochi University |
Principal Investigator |
岡村 慶 高知大学, 教育研究部総合科学系複合領域科学部門, 教授 (70324697)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
野口 拓郎 高知大学, 大学共同利用機関等の部局等, 研究員 (90600643)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | 海洋計測 / 化学センサ / 深海 / 圧力 |
Outline of Annual Research Achievements |
被圧型現場化学センサの開発として2つの要素技術開発を実施した。 (1)電装部(CPUボード、電源基板、バッテリー)の被圧化 我々の研究グループでは、先行研究として塩化ビニル製チューブを胴体とし、上下に透明塩化ビニル素材で蓋となるフランジをつけた密閉容器を試作し、容器内にピエゾンスタティックポンプをシリコン油に浸し運用する油漬け駆動試験に成功している。この油漬けポンプ容器の大きさは、直径3cm長さ10cmである。本研究で実施する電装部の被圧化に際しては、たとえばArduinoなどのカードマイコンの搭載には、短辺が5cm程度、長さが10cm程度を必要とする。これに電源基板を積層する場合、厚さが5cm程度となる。そのため、被圧容器全体の大きさとしては、最大で外径10cm、長さ10cm程度を想定しており、各種樹脂素材を用いて容器の試作検討を行った。その結果硬質・軟質樹脂の接着加工法を開発し、水深5000mまでの加圧試験を行ったところ、良好な結果を得た。CPUボードについて、特に電源基板上のコンデンサ、バッテリーが油漬けに弱いと想定されるため、20種類ほどのボードや基板を選定し、油漬けした上で加圧試験を行い、耐圧性能を評価する樹脂モールド加工および、油漬け加工を検討し、加圧試験を行ったところ、良好な作動を観測した。 (2)センサ感応部(pH・溶存酸素)の被圧化:耐圧性能試験、水中での被圧接続手法の開発 pHおよび酸化還元に係わる電極について、被圧化での運用が行いやすい形状かつ、応答性能が要求を満たすものを探索した結果、良好に作動するものを見いだすことに成功した。加圧試験の結果も良好であった
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初申請書に記載した通りのペースで進行しており、概ね順調に進展していると推定できる。
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Strategy for Future Research Activity |
(1)被圧電装部の開発に関して、被圧電装部の試作について、前年度に選定した各種ボード類を選出し、最適なサイズの密封容器の設計・試作を実施する。密封電装部とセンサ感応部の接続方法決定について、耐圧水中コネクタを使用する場合は、水密容器のフランジ面に規格にあったねじ穴をあけて取り付ける。油漬けコネクタで取り付け可能な場合は、ケーブルを貫通させる穴を樹脂などによるモールドが必要となるため、素材・方法を選定する。 (2)センサ感応部の開発に関して、密封電装部とセンサ感応部の接続方法決定について、これまでの検討結果をもとに、センサ感応部を電装部の接続方法として、耐圧水中コネクタが良いのか、または油漬けコネクタで対応可能なのかを決定する。 (3)被圧型現場化学センサに関して、上記電装部と上記感応部を実装した被圧型現場化学センサの組み上げるとともに、被圧型現場化学センサの耐圧性能試験の実施する。組み上げたセンサは、研究室において標準海水試料等を用いて性能評価を実施する。最終的には知大学の近海において、被圧型現場化学センサの実海域試験を実施し性能評価する。 以上、開発計画の期間中においては、各要素技術に分割し、同時並行して開発および試験を実施し、また、各ステップでこまめに耐圧試験水槽を用いた被圧試験を実施することで、計画の行き詰まりが発生しないよう、工程管理を行っていく。
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Research Products
(1 results)