2017 Fiscal Year Research-status Report
Study of maintaining a steady burning plasma using a unified method of fluid and kinetic pictures
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17K07001
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Research Institution | National Institutes for Quantum and Radiological Science and Technology |
Principal Investigator |
本多 充 国立研究開発法人量子科学技術研究開発機構, 那珂核融合研究所 先進プラズマ研究部, 主幹研究員(定常) (90455296)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | 流体型輸送コード / トカマク / 運動論コード / 径電場 / 新古典輸送 / 乱流輸送 / フラックスマッチング / 磁束消費 |
Outline of Annual Research Achievements |
平成29年度はTASK/TXコードの開発・整備を中心に据えた当初計画を変更し、TASK/TXを用いた物理研究、TASK/TXの妥当性検証に用いるためのコード開発と関連する物理研究を先倒しで行うこととした。 他の輸送コードでは出来ないTASK/TX固有の特徴の一つとして、マクスウェル方程式系を解いていることが挙げられる。その長所を活かし、トカマクにおける磁束消費の研究に取り組んだ。トカマクの磁束消費の研究は従来ポロイダル磁束にのみ着目して行われていたが、プラズマ電流変化時や加熱直後などの遷移的状況下においてはトロイダル磁束の磁束消費も有意な大きさとなることをシミュレーションで明らかにしたほか、軸対称系ではトロイダル磁束とポロイダル磁束に対するポインティング則が独立に成立していることを明らかにした。 本研究計画の主題である流体・運動論的手法を統合したコードとしてTRESS+GKVコードを開発してきた。非定常偏微分方程式を解くTRESSコードにニュートン・イタレーション法を導入することで、比較的大きな時間刻み幅で硬い輸送モデルを用いても安定した解が得られるように改良した。それを一歩進め、遺伝的アルゴリズムなどの大域最適化手法を用いて解法上本質的に振動解が生じない定常輸送コードGOTRESSを開発することに成功した。GOTRESSは硬い輸送モデルを用いても振動しない解を高速に解く事ができることを確認している。 磁場の軸対称性の破れが作る新古典トロイダル粘性(NTV)は回転を左右するため、回転の制御正確率のためにはNTVの解明が重要である。JT-60SAに設置される誤差磁場補正コイルを用いて能動的に様々なパターンの摂動磁場を印加できるため、複数のパターンにおいて生じるNTVを評価し、最小のコイル電流で最大のNTVが得られるセッティングを明らかにした。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
今年度に実施・達成した研究課題は、当初実施計画において平成30年度以降に予定していたものを多く含んでいる。今年度実施した研究課題については国内学会や国際学会で発表済みであり、また2編の論文が出版され、1編についても投稿中である。それゆえ、計画は概ね順調に進展していると判断される。
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Strategy for Future Research Activity |
平成29年度に当初予定していた研究課題に取り組む。以下に記述するTASK/TXに関する3つ開発項目が中心となる。 ①TASK/TXの多粒子種への拡張。三重水素、アルファ粒子や不純物などを取り込んだ系へと拡張する。②平衡コードとの結合。現状でも実平衡を読むことが出来るが、平衡が変化するシミュレーションをスムーズに行うためには平衡コードの結合が重要となる。③新古典輸送に与える乱流の影響を考慮するモデル化。新古典的に駆動されるポロイダル回転の乱流によるシフトをモデルとして取り込むことにより、乱流が直接駆動する粒子束と乱流に影響された新古典粒子束を扱うことが可能である。 さらに、TASK/TXの特長を活かした物理研究にも取り組む予定である。中性粒子ビーム入射開始直後は熱イオンの一部が加速され高速イオンとなるため熱イオンの密度が減少する。そのため、入射方向の如何に依らず径方向電流が流れ、回転の変化が生じるはずである。この現象をシミュレーションによって明らかにする予定である。
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Causes of Carryover |
国外出張において、経費削減のため、他の用務と合わせた旅程としたため、復路分の旅費が安くなり、次年度使用額が発生することとなった。平成30年度は複数回の国外出張が予定されていることから、そちらの旅費に充当して使用することとする。
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