2019 Fiscal Year Research-status Report
Analysys of local circuit mechanisms in the basal forebrain in terms of parvalbumin and acetylcholine
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17K07063
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Research Institution | Jikei University School of Medicine |
Principal Investigator |
籾山 俊彦 東京慈恵会医科大学, 医学部, 教授 (20230055)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | パルブアルブミン / アセチルコリン / 光遺伝学 / 線条体 / 前脳基底核 / IPSCs / MSNs / M1受容体 |
Outline of Annual Research Achievements |
大脳基底核および前脳基底核におけるシナプス伝達修飾機構解明を目的として、光遺伝学手法を用いた電気生理学的解析を行なった。線条体の中型有棘ニューロンMSNs、パルブアルブミン含有)のみにチャネルロドプシン2を発現した遺伝子改変マウスの脳スライス標本上のアセチルコリン性介在ニューロン(cholinergic interneurons, CINs)からホールセル記録を行ない、MSNsに光刺激を与えて、MSNs からCINsへのGABA性抑制性シナプス後電流(IPSCs)を誘発した。光誘発性IPSCsは、通常の電気刺激誘発性IPSCsに比べて遅い時定数を有した。光誘発性IPSCsおよび電気刺激誘発性IPSCsは、ともにムスカリン性アセチルコリン受容体アゴニストによって濃度依存的に抑制され、抑制効果のIC50値に有意差はなかった。この抑制は、ムスカリン受容体M1サブタイプアンタゴニストによって拮抗された。抑制効果のIC50値は、マウスの生後発達過程で有意な変化を示さなかった。CINs内のGタンパクカスケードを遮断してもIPSCs抑制は影響を受けなかった。また、paired-pulse ratioおよびcoefficient of varianceに対するM1受容体アゴニストの作用から、MSNsからのGABA性シナプス終末に存在するM1受容体活性化によって、CINsへのGABA遊離がシナプス前性に抑制されることが示唆された(Eur. J. Neurosci. Under revision)。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
新型コロナウィルス感染症流行の影響により、実験動物および消耗品類の納入が遅れ、そのため、実験予定が延期になるとともに、少額ながら研究費を今年度中に使用できない状況になった。その分をを2020年度に繰り越すことを希望した。
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Strategy for Future Research Activity |
パルブアルブミン含有GABA性ニューロンのみにチャネルロドプシン2を発現させたマウスにおいて、同ニューロンおよびアセチルコリン性投射ニューロンへからの同時パッチクランプ記録を行なうことによって、特定ニューロン間のシナプス伝達機構、およびドーパミン受容体、ムスカリン性受容体等の生理活性物質受容体を介するシナプス伝達修飾機構の解析を行なう。
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Causes of Carryover |
新型コロナウィルス感染症流行の影響により、実験動物および消耗品類の納入が遅れ、そのため、実験予定が延期になるとともに、少額ながら研究費を今年度中に使用できない状況になった。その分をを2020年度に繰り越すことを希望した。主として実験動物購入のために使用する。
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