2018 Fiscal Year Research-status Report
アデノシンセンサー細胞を利用した神経・精神疾患モデルの解析
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17K07110
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Research Institution | Kobe University |
Principal Investigator |
森田 光洋 神戸大学, 理学研究科, 准教授 (50297602)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | アデノシン / ドーパミン |
Outline of Annual Research Achievements |
CHO細胞にA1受容体、Gqi5、RCaMPを発現させた細胞株を樹立した結果、脱感作を示さいないバイオセンサーとして、マウス脳スライスから、電気刺激に伴うアデノシン放出を検出することに成功した。また同様にD2受容体を用いることで、ドーパミンの検出にも成功した。これらのバイオセンサーを用いて、アデノシンとドーパミンのクロストークを検討したところ、A1受容体阻害剤がドーパミンの放出を増加させることを見出した。すでに、アデノシンの放出にはAQP4が必要であることが先行研究で明らかにされているため、AQP4ノックアウトマウスを用いて、同様の検討を行った結果、このマウスではA1阻害剤の作用が消失していることがわかった。これは、独自に見出されたAQP4を介したアデノシン放出経路が、ドーパミン放出を調節していることを強く示唆している。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
[1] アデノシンに対するバイオセンサーを樹立し、脳スライス標本において有用性を実証した。 [2] ドーパミンに対するバイオセンサーを樹立し、脳スライス標本において有用性を実証した。 [3] アデノシンとドーパミンのクロストークを見出した。
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Strategy for Future Research Activity |
[1] うつ病モデルマウスにおけるアデノシンとドーパミンのクロストークの変調を明らかにする。 [2] L型カルシウムチャンネルを介したアデノシン放出がドーパミンに与える影響を明らかにする。
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Causes of Carryover |
AQP4に関する研究が進展したため、これに焦点を当て、L型カルシウムチャンネルに関する検討を行わなかったため。
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