2019 Fiscal Year Annual Research Report
Funcional analysis of a novel biomarker specifically expressed in glioma stem cell.
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17K07183
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Research Institution | Okayama University |
Principal Investigator |
丸山 正人 岡山大学, 医歯薬学総合研究科, 准教授 (00399445)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
中野 洋輔 関西医科大学, 医学部, 助教 (40776530)
岩田 亮一 関西医科大学, 医学部, 講師 (60580446)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | がん幹細胞 / microseminoprotein / グリオーマ |
Outline of Annual Research Achievements |
近年、腫瘍内には、腫瘍関連マクロファージ(Tumor-Associated macrophage)が存在し、腫瘍微小環境を形成することで、腫瘍形成の促進に寄与していることが知られている。一方で、MSMPは末梢血中に存在する単球やリンパ球に対して遊走能を持つことが報告されていることから、がん幹細胞から分泌されるMSMPが、末梢血中に存在する単球を腫瘍内へと遊走させることで、腫瘍微小環境の構成と腫瘍の進展に寄与している可能性が考えられた。 そこで、最終年度では、MSMPの単球に対する遊走能を調べるため、ヒトMSMP組換えタンパク質の調製を試みた。ヒトMSMPは、139個のアミノ酸残基で構成されており、1-37番目まではシグナルペプチドとして機能するため、37-139番目の領域の組換えタンパク質を大腸菌で作成した。その結果、予想された分子量である約11kDaの組換えMSMPタンパク質の調製に成功した。そして、精製したMSMPのヒト単球由来THP-1細胞に対する遊走能を調べた結果、MSMPはTHP-1の遊走能に影響を及ぼさなかった。今回、作製した組み換えタンパク質は、設計上、天然のMSMPに比べて、N末端に数個のアミノ酸が余計に付加されている。これが、MSMPの受容体への結合に影響を及ぼしている可能性があるため、付加されたアミノ酸の影響を除いた検討を進めることが今後の検討課題として考えられた。 研究機関全体を通じて、MSMPがヒトグリオーマ細胞だけでなく、グリオーマ患者由来がん幹細胞株、グリオーマ組織においてもタンパクレベルで発現しており、その発現は、グリオーマの悪性度とは関係ないことが明らかとなった。本研究により、MSMPがグリオーマに発現していることを初めて明らかにすることができた。
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[Journal Article] ICOSLG-mediated regulatory T-cell expansion and IL-10 production promote progression of glioblastoma.2020
Author(s)
Iwata R, Hyoung Lee J, Hayashi M, Dianzani U, Ofune K, Maruyama M, Oe S, Ito T, Hashiba T, Yoshimura K, Nonaka M, Nakano Y, Norian L, Nakano I, Asai A.
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Journal Title
Neuro-Oncology
Volume: 22
Pages: 333-344
DOI
Peer Reviewed / Open Access
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