2020 Fiscal Year Research-status Report
グリオーマ幹細胞のニッチ制御に関わる糖タンパク質因子群の同定と機能解析
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17K07199
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Research Institution | Kumamoto University |
Principal Investigator |
南部 晶子 熊本大学, 大学院生命科学研究部(医), 特別研究員 (40572087)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
荒木 令江 熊本大学, 大学院生命科学研究部(医), 准教授 (80253722)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | 脳腫瘍 / 癌幹細胞 / 分化 / プロテオミクス / 糖鎖 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は脳腫瘍の中でも最も化学療法が困難であり、致死率の高い難治性疾患の一つである悪性グリオーマの新規治療ターゲット探索を目的とする。悪性グリオーマでは腫瘍の再発率が高く、この再発にがん幹細胞が関与することが知られている。そのため、がん幹細胞に特異的に発現する分子や、がん幹細胞増殖、維持・分化へのメカニズムを解明することにより、新たな治療ターゲットの提案が可能になると考えられる。本研究において用いる方法論によりがん幹細胞を取り巻く分子群の網羅的な同定が可能となる。そこで、本研究では、これまでに報告しているがん幹細胞の分化に必要な分子integrin aVと協調してグリオーマ幹細胞の維持・分化に関与する糖鎖タンパク質群に着目し、これらの発現パターン、機能解析および治療ターゲットとして評価を行う。がん細胞ではがん細胞特異的に糖鎖構造が変化することが知られているため、変化する糖鎖構造を持つタンパク質およびその糖鎖構造解析データは治療標的ターゲット探索に有用な情報をもたらすと思われる。 当該年度では、これまでのデータを整理し、脳腫瘍幹細胞に特異的に発現する分子を異なるソフトウェアを用いて再解析した。再解析により得られた新たに見つかった分子に対する発現解析を生化学的、分子生物科学的解析とともに、メチル化やプロモーター解析も併せて行なった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
これまでのデータ解析を再解析したことにより、付加データにおける検証、精査を行ったため、進行に少しの遅延があったことから、やや遅れていると判断される。
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Strategy for Future Research Activity |
今年度は新たな解析方法によりデータの見直しなどを行い、これまでとは異なる分子群の発現差異に気づいたため、その分子群に対する発現解析をエピジェネティクスな観点からも合わせて検討した。 今後は得られたデータを元に、樹立癌幹細胞を用いて、メチル化、ヒストン修飾などの大規模解析を行い、癌幹細胞分化維持に関与する分子に対する新たなデータの構築を行う予定である。
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Causes of Carryover |
今年度はこれまで得られていたデータに基づいた解析の見直しを行なった。COVID-19により就業スタイルを変えたことと、試薬類などの搬入に遅れが伴ったため、実験に使用する試薬などはこれまでに購入していた試薬類を使用することで補い、新たな物品購入に至らなかった。来年度は詳細な解析を行うことを目的としているため、試薬類、実験に使用するプラスチック消耗品、動物実験購入費、また、実験打ち合わせ、学会参加における旅費として計上する予定である。
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Research Products
(3 results)