2019 Fiscal Year Annual Research Report
Investigation for a mechanism of cetuxifmab resistance in head and neck cancers
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17K07203
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Research Institution | Kindai University |
Principal Investigator |
米阪 仁雄 近畿大学, 医学部, 講師 (30330260)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
坂井 和子 近畿大学, 医学部, 講師 (20580559)
土井 勝美 近畿大学, 医学部, 教授 (40243224)
北野 睦三 近畿大学, 医学部, 講師 (60716330)
田中 薫 近畿大学, 医学部, 講師 (80548628)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | 薬効評価と予測 / HER3 / ヘレグリン / アファチニブ |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は、頭頚部癌の治療薬である抗EGFR抗体セツキシマブの耐性機序を明らかにし、同腫瘍の治療の改善につなげる事である。研究全体を通じて解明できた点として、HER3リガンドであるヘレグリンの過剰発現とそれによるHER3シグナルの活性化がセツキシマブ耐性をもたらすことである。すなわち本研究の実施計画の通り頭頚部癌のセツキシマブ耐性細胞株FaDuCRの網羅的なゲノム解析及び全トランスクリプトーム解析を行いヘレグリンの過剰発現を認めた。そしてsiRNAによるヘレグリンの選択的発現阻害は、同剤への耐性化の解除をもたらした。さらに計画されていたように頭頚部癌症例の腫瘍組織を用いてヘレグリンmRNA発現を in situ ハイブリダイズ法で定量した。28腫瘍中、2腫瘍でヘレグリンの発現が耐性株FaDuCRと同程度に亢進しており、かつこれらの症例はセツキシマブ治療に対し耐性であった。 本研究で明らかにされた2点目は、panHER阻害剤であるアファチニブによってセツキシマブ耐性を克服できることである。すなわち前述のセツキシマブ耐性細胞株FaDuCRのマウス移植モデルにおいて腫瘍の増大はセツキシマブ治療では阻害できなかった。一方でアファチニブ治療は腫瘍の増大を有意に阻害した。 最終年度にはこれらの結果を学術集会で報告し、また論文発表した(Yonesaka K et al. Oncogenesis. 2019;8(10):54)。 本研究によって今後の頭頚部癌における新たな治療戦略が考えられる。すなわち抗EGFR抗体治療に耐性となり、かつヘレグリンを過剰発現している頭頚部癌に対しアファチニブなどHER3を阻害する薬剤が有効である可能性がある。
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Research Products
(3 results)