2022 Fiscal Year Annual Research Report
Formation and Propagation Mechanism of Prion Protein Oligomers "Watched" by Aggregation-Induced Emission Imaging
Project/Area Number |
17K07315
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Research Institution | Chiba Institute of Technology |
Principal Investigator |
山本 典史 千葉工業大学, 工学部, 教授 (30452163)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
島崎 俊明 千葉工業大学, 工学部, 准教授 (10452476) [Withdrawn]
鎌足 雄司 岐阜大学, 高等研究院, 助教 (70342772)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 凝集誘起発光 / プリオン病 / プリオンタンパク質 / アミロイド / 蛍光プローブ / 分子イメージング |
Outline of Annual Research Achievements |
プリオン病は、脳内に異常なプリオンタンパク質(PrP)が蓄積することで発症する神経変性疾患です。これまで、その発症メカニズムは完全に解明されていませんでした。本研究では、凝集誘起発光イメージングという新しい手法を開発することで、プリオン病の病態過程に関する見解を補完する新たな視点を提供し、PrPの病態解明に迫ることを目指しています。 従来、大量のPrPが凝集した「アミロイド線維」が病態を引き起こすとされてきましたが、近年、少数のPrPが結合した「オリゴマー」がより強い細胞毒性を持ち、中心的な役割を果たすという新たな理論が注目されています。しかし、これまでの技術では、このオリゴマーを視覚化することは困難でした。 昨年度まで、本研究では、抗プリオン化合物と凝集誘起発光(AIE)色素を組み合わせた新しい蛍光プローブの開発に取り組み、その凝集発光特性の解析に取り組んできました。これにより、生細胞内でPrPオリゴマーのふるまいを「視覚化」するための手がかりが得られ、プリオン病とPrPオリゴマーの因果関係を直接観察するための基礎を確立することができました。 令和4年度は、新たな骨格構造を持つAIE蛍光色素である「三脚巴状分子」について、そのAIEメカニズムを理論的に解析しました。これにより、AIEを利用する新たなイメージングを可能とする分子設計について、その基礎を築くことができました。 これらの成果は、タンパク質の凝集体の分子イメージング技術を確立するという本研究の目的にも大きく寄与するものとなります。将来的には、本研究で開発した新しいイメージング手法は、プリオン病における病原性タンパク質の挙動を理解し、それに対抗する新たな治療法を開発するための重要な一歩となることが期待されます。
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Research Products
(6 results)