2017 Fiscal Year Research-status Report
Finding the central core of the Golgi apparatus
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17K07393
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Research Institution | Kyoto Sangyo University |
Principal Investigator |
中村 暢宏 京都産業大学, 総合生命科学部, 教授 (50294955)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | 複数回膜貫通タンパク質 / ゴルジ体 |
Outline of Annual Research Achievements |
YIPF1とYIPF2のノックダウンはゴルジ体から細胞膜へのVSVGtsO45-GFPの輸送に遅延をきたしたが,YIPF6のノックダウンはその輸送に影響を与えなかった。したがって,ゴルジ体に残留するYIPF6がゴルジ体から細胞膜へのVSVGtsO45-GFPの輸送を阻害した可能性が示唆された。この可能性について検証するため,YIPF6の過剰発現を試みたが,YIPF6の高レベルの発現を達成することができなかった。ERADとリソソームの特異的阻害剤を用いて解析した結果,過剰に発現したYIPF6はERADで直ちに分解されることが明らかとなり,これがYIPF6の低発現の原因であることが示唆された。 次に,酵母ツーハイブリッド法を用いてYIPF1,YIPF2,YIPF6と相互作用するタンパク質の探索を行った。まず,ゴルジ体に局在する19種のRabタンパク質の活性型との相互作用を調べたが,どのRabタンパク質とも相互作用を確認できなかった。次に,ライブラリースクリーニングにより,YIPF6と相互作用するタンパク質の探索を行ったが,特異的に相互作用するタンパク質を明らかにすることはできなかった。最後に,化学架橋材を用いてYIPFと相互作用するタンパク質と相互作用するタンパク質を検出することを試みた。アミン反応性架橋剤反応基DSGを用いた結果,YIPF1,YIPF2,YIPF6が特定の分子量のタンパク質と特異的に架橋されることが明らかとなった。ウェスタンブロッティングによって解析したところ,YIPF2やYIPF6と複合体を形成しているタンパク質は22kDa,17kDaと比較的小さく,SNAREと架橋されている可能性が示唆された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
当初利用予定であったYIPF発現細胞でのYIPF発現が予想していたより少量であったため,ゴルジ体のタネに相当する細胞分画を分離するためには,YIPFの発現量を増加させる必要が生じた。増加させるための手法は開発できたので,平成30年度は,この手法を用いて当初の目的を達成することを目指す。
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Strategy for Future Research Activity |
研究計画に多少の遅れはあるものの,当初の計画通りに研究は進行している。したがって,当初の研究計画に沿って研究を進める方針である。
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Causes of Carryover |
当初計画していたタンパク質の分離同定実験が遅延したため,それに伴って,予定していたタンパク質質量解析実験の開始が遅延した。そのため,タンパク質質量解析に予定していた経費を来年度に繰越したい。
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