2019 Fiscal Year Annual Research Report
Finding the central core of the Golgi apparatus
Project/Area Number |
17K07393
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Research Institution | Kyoto Sangyo University |
Principal Investigator |
中村 暢宏 京都産業大学, 生命科学部, 教授 (50294955)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | 膜貫通タンパク質 / 複合体 / 局在化 |
Outline of Annual Research Achievements |
ゲノムデータベースを用いてYIPFタンパク質の相同遺伝子の網羅的解析を行ったところ,YIPFタンパク質の相同遺伝子が原生生物から,藻類,植物,菌類,動物に至るまでほとんど全ての真核生物に存在していることが明らかとなった。このことから,YIPFタンパク質群が真核生物に必須の役割を果たしていることが予想された。驚いたことに,類縁タンパクが大腸菌を含む真正細菌や古細菌でも見つかったことから,受容体やトランスポーターなどとして機能している可能性や,膜タンパク質のシャペロンとして機能している可能性が示唆された。YIPFタンパク質群とGM130-GRASP65複合体との相互作用を酵母ツーハイブリット解析,タンパク質共沈降実験で解析を行ったが,GM130-GRASP65複合体との関連性は見いだすことができなかった。しかしながら,GM130-GRASP65複合体とYIPFタンパク質群,特にシスに局在するYIPFタンパク質複合体の動態が酷似していることから,GM130-GRASP65複合体とYIPFタンパク質群を結ぶ未知のタンパク質が存在することが示唆された。YIPFタンパク質群を安定に発現するHeLa細胞を構築し,YIPFタンパク質群と共沈するタンパク質群を解析したが,YIPFタンパク質群の安定性を維持するためにサポニンやジギトニン等のマイルドな界面活性剤を用いたところ,共沈の特異性が低く,候補タンパク質の同定を進めることができなかった。一方,Triton-X100を用いたところ,非特異的沈降物は減少したが,YIPFタンパク質の複合体が分解し,この方法でも候補タンパク質の同定には至らなかった。候補タンパク質の同定には,クロスリンカーを用いて複合体を安定化させた後に,Triton-X100などの比較的強い界面活性剤を用いて抽出沈降する必要があることが示唆された。
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