2018 Fiscal Year Research-status Report
進化上保存された細胞極性形成ネットワークによる新規の微小管制御機構の解明
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17K07756
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Research Institution | Hiroshima University |
Principal Investigator |
久米 一規 広島大学, 先端物質科学研究科, 助教 (80452613)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | 微小管 / 分裂酵母 / 細胞周期 / 細胞増殖 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は分裂酵母を用いて、進化上保存された細胞極性形成ネットワーク(MOR経路)による新規微小管制御機構の解明と当該制御機構と細胞増殖制御との関係解明を目指す。昨年度の解析から、MOR経路変異体では細胞周期間期に形成される細胞質微小管の本数が顕著に増加することを発見した。つまりMOR経路は細胞質微小管の本数を適切に維持するために重要であることが示唆された。平成30年度は、MOR経路による細胞質微小管の制御機構を解明するため、当該制御機構の新規関連因子を探索した。そのアプローチとして(1)既知の微小管関連因子の遺伝子破壊株を用いて、MOR経路変異による細胞質微小管の増加に関わる因子の探索と(2)これまでに取得したsup変異体(MOR経路変異体の微小管重合阻害剤感受性を抑圧する変異体)の原因遺伝子の同定と当該遺伝子の機能解析を行った。 (1)既知の微小管関連因子の遺伝子破壊株とMOR経路変異体との二重変異体を構築し、MOR経路変異による細胞質微小管の増加を抑圧するものを探索した。その結果、複数の微小管結合因子が関わることがわかった。その中には微小管プラス端に局在し微小管形成に関わる因子が含まれていた。現在選抜因子による微小管制御とMOR経路との関係について解析を進めている。 (2)取得したsup変異体(6遺伝子座に分類、sup1-6変異体)のうち、sup5変異体の原因遺伝子を同定し、細胞質微小管制御におけるSup5の機能を明らかにした。sup5変異体の原因遺伝子は、核外輸送に重要なexportinをコードするcrm1であった。crm1/sup5変異体は核外輸送に異常を示し、野生株よりも細胞質微小管の本数が減少していた。さらにこの表現型は核内輸送に依存することを示した。以上の結果より、核-細胞質間の適切な輸送が、細胞周期間期の細胞質微小管形成に重要であることを明らかにした。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
MOR経路変異体が示す微小管構造の異常に関わる複数の因子を特定することができた。同定した因子(Exportin/Crm1)についての解析を進め、核-細胞質間輸送による微小管制御機構を明らかにした(論文として発表)。さらに、その他の因子の中から、微小管制御におけるMOR経路のターゲット分子を特定し、現在詳細についての解析を進めている。以上の進捗状況から、本研究課題は順調に進展している。
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Strategy for Future Research Activity |
MOR経路による微小管制御機構を解明するために、MOR経路のターゲット分子の解析を中心に進める。そしてMOR経路による当該因子の制御を介した微小管制御機構を分子レベルで明らかにする。さらにMOR経路のターゲット分子と機能関連する分子について探索し、MOR経路による微小管制御機構の全体像の解明を目指す。当該制御機構と細胞増殖との関係についても解析を進める。
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Research Products
(4 results)