2021 Fiscal Year Annual Research Report
Synthesis of novel heterocycles based on oxidative and radical coupling under mild and environmental benign conditions
Project/Area Number |
17K07776
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Research Institution | Osaka Prefecture University |
Principal Investigator |
谷森 紳治 大阪府立大学, 生命環境科学研究科, 教授 (50207198)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | ヨウ素 / 環境調和性 / ラジカルカップリング / 酸化的カップリング / 脱硫環化反応 / 有機分子触媒 / 不斉合成 / エクオール |
Outline of Annual Research Achievements |
「穏和な酸化およびラジカルカップリングに基づく新規な環境調和型の複素環合成法の開発」を目的として研究開発を行なった。その結果21年度は、酸化剤の存在下、触媒量のヨウ素を反応剤に用いた脱硫環化反応による2ーアミノベンゾオキサジンの簡便な合成法の開発を達成した。2ーアミノベンジルアルコールとアリールイソチオシアなナートより調製したチオウレア体に対して環化反応を検討した。酸化剤としては、安価で安全な過酸化水素が適切であった。20モル%のヨウ素の存在下反応は2時間以内で完結し、室温という穏和な条件下で目的物が高収率で得られた。また、プロリンを触媒に用いたアルカリ金属を有する塩基の存在下、1ー置換ー4ーキナゾリノンの遷移金属フリーの合成を達成した。2ーブロモベンズアミドに対しアリールイソシアナートを作用させて調製したウレア体に対して環化反応を検討した。塩基としては、第三級カリウム-t-ブトキシド、添加剤としてはプロリンが良い結果を与えた。さらに、MacMillanらの有機分子触媒を用いたエストゲン様作用を示すことで注目されるフラボノイドの一種であるエクオール両エナンチオマーのキラル合成をおこなった。アルデヒドのαーアリール化反応を鍵反応とすることで、エクオールに存在する7位の不斉炭素原子の立体配置を効果的に制御し、エクオール両鏡像異性体を得た。同様な方法論により、エクオールの誘導体で同様な生理作用が期待される5ーヒドロキシエクオールと3ー(4ーヒドロキシフェニル)クロマンー8ーオールのそれぞれ両エナンチオマーの立体選択的合成を達成した。いずれも毒性や難分解性のない反応剤を利用しており、環境調和性の高い合成法を達成し、当初の目的に沿えるものであった。
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