2019 Fiscal Year Annual Research Report
Study of emulsion gels with unique texture
Project/Area Number |
17K07818
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
井倉 則之 九州大学, 農学研究院, 教授 (30260722)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | ゲル / エマルション / 物性 |
Outline of Annual Research Achievements |
エマルションは連続相中に異なる極性を有している液滴が分散した系となっていることから、それらに親水性成分と親油性成分のいずれも内在させることが可能である。そのため、エマルションからのフレーバー成分のリリース挙動は単純な系とは異なることが知られている。また、この様なエマルションをゲル化させることで、従来とは異なる物性を有したゲルを作成可能となる。本申請では、連続相にゲル化可能な成分を選択することで、独特な物性ならびにフレーバーリリース能を有した新規エマルションゲルの作成を目的とする。令和元年度はエマルションの分散相含有率および分散相の液滴径がエマルションゲルの物性に及ぼす影響を明らかにした。その結果、付着性および凝集性に関しては有意差は認められなかったが、かたさは分散相含有率の増加に伴い、減少することが明らかとなった。また、エマルションの液滴径が増加するほど、得られたエマルションゲルの付着性が減少することが明らかとなった。 以上研究期間全体を通じて、エマルションからのフレーバーリリース挙動に及ぼすエマルション特性の影響を明らかにすることによるエマルションゲルからのフレーバーリリース挙動の推定、またエマルションゲルの物性に及ぼす添加物の影響ならびに分散相含有率や液滴径などのエマルション特性の影響を明らかにしてきた。特に、分散相含有率および液滴径を変化させることで、異なる物性を有するエマルションゲルの作成が可能となること、またエマルションゲルの分散相含有率を高め、液滴径を大きくすることで、かたさおよび付着性に関して厚生労働省が勧める嚥下食許可基準に近い物性を獲得することが示された。
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