2019 Fiscal Year Annual Research Report
Evaporation of soymilk-Control of protein-protein interaction-
Project/Area Number |
17K07821
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Research Institution | University of Shizuoka |
Principal Investigator |
下山田 真 静岡県立大学, 食品栄養科学部, 教授 (60235695)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | soymilk / evaporation / viscosity / urea / sodium dodecylsulfate |
Outline of Annual Research Achievements |
前年度までの検討により豆乳を濃縮する際に豆乳中のタンパク質と脂質粒子の間の相互作用によって粘度上昇の加速されることが示された。一方で豆乳中のタンパク質の変性状態も粘度上昇に大きく影響していることがわかり、これもタンパク質と脂質粒子の間の相互作用に影響しているためと考察できた。そこで、これらの知見を基にいくつかの化学物質を豆乳に添加して濃縮した際の粘度変化について検討することとした。 まず、ドデシル硫酸ナトリウム(SDS)の添加効果について検討した。その結果、SDSの添加濃度が0.01%の場合、濃縮時に明らかな粘度低下がみられた。しかしながら、添加濃度を0.1%とすると粘度の低下はほとんど見られず、1%とした場合には逆に粘度は上昇した。すなわちSDSの添加効果は濃度依存的であることが分かった。次に、尿素の添加について検討した。その結果、添加濃度0.1 Mの場合には粘度上昇を効果的に抑制したのに対して、1 Mとすると明らかな粘度上昇がみられた。それぞれの濃度でSDSあるいは尿素を添加した濃縮豆乳を回転粘度計に供し、流動性指数を求めた結果、粘度低下がみられた濃度範囲では流動性指数は無添加と同等であった。一方、高濃度でSDSや尿素を添加した豆乳では流動性指数の低下がみられた。脂質粒子の粒度分布の結果からも低濃度の添加では粒度は変化しなかったものの高濃度の添加では粒度の上昇がみられた。これらの結果より、化学物質の添加によってタンパク質-脂質粒子間の相互作用が抑制されることで濃縮時の粘度上昇が抑制されるものと推測した。一方でこれらの化学物質を高濃度で添加した場合には逆にタンパク質の相互作用が高まって粘度上昇は、逆に促進されるものと考えられ、添加する化学物質の性質と濃度について詳細に検討する必要のあることが分かった。
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Research Products
(3 results)