2019 Fiscal Year Annual Research Report
Development of a method for predicting diversity of functional traits of beech based on the evaluation of genetic and epigenetic effects
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17K07838
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Research Institution | Mie University |
Principal Investigator |
鳥丸 猛 三重大学, 生物資源学研究科, 准教授 (10546427)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | ブナ実生 / 乾燥応答遺伝子 / ドラフトゲノム |
Outline of Annual Research Achievements |
ブナのエピジェネティク変異を定量化するための手段として、次世代シークエンサーを用いたゲノム中のシトシンのメチル化の程度を網羅的に検出するHELP-tagging法を確立することを目的として、昨年度に構築したブナのドラフトゲノムの拡充を試みた。三重大学圃場に植栽されているブナから50kbp以上の長鎖DNAを抽出し、Oxford Nanopore社のロングリードとNovaseq6000を用いた150bpペアエンドによるショートリードのシークエンシングおよびMasrucaによるアセンブラーを外部委託した。その結果、アセンブリサイズは664,186,061 bp、スキャホールドN50は631,091bp、GC含有量は35.5%、BUSCOのコア遺伝子セットの97%を網羅していることが明らかになった。 次にブナ集団内における表現形質の変異を調査するための生物試料を整備するために、森林総合研究所東北支所内のブナクローン園から採取された種子101個(三本木:43個、米内沢:58個)を用いて発芽実験を行った。その結果、すべての種子が発芽したものの、生存した実生の割合は26.7%(三本木:30.2%、米内沢:24.1%)であった。それらの実生と別途発芽させた三本木と米内沢の種子由来のものを加えた計20本の実生を用いて実生を生育させ(昼:25℃12時間、夜:15℃12時間)、乾燥処理条件の検討を行った。実験開始後の4か月目までは人工気象気内の換気を未実施であったため、乾燥処理区(7日間隔で300mLを給水)とコントロール区(隔日に100mL給水)の土壌水分量はどちらの処理区も約16~18%となり、処理区間で明確な差は認められなかった。4か月目以降には、換気処理を行ったところ、乾燥処理区の同上水分量は10~12%程度まで低下しており、乾燥処理実験に適切な人工気象気内の環境が示唆された。
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Research Products
(4 results)