2017 Fiscal Year Research-status Report
野菜の水銀吸収阻害作用を利用した養殖魚水銀量の低減化とヒト向けサプリメントの開発
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17K07948
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Research Institution | Kindai University |
Principal Investigator |
安藤 正史 近畿大学, 農学部, 教授 (80247965)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | メチル水銀 / 腸管 / 野菜 / 養殖魚 / Caco2細胞 |
Outline of Annual Research Achievements |
Caco-2細胞を用い,メチル水銀の吸収阻害効果を25種類の野菜(ダイコン,レンコン,サトイモ,カブ,ゴボウ,トウモロコシ,アボカド,ゴーヤ,シシトウ,サンチェ,ニラ,ネギ,トウミョウ,コマツナ,チンゲンサイ,フキ,レタス,ニンニク,ニンニクの芽,レッドオニオン,ミズナ,オオバ,ワサビ,ミョウガ)汁について検討した。最初に,評価系として一般的なキットであるトランスウェル(培養期間2週間)と市販の24穴プラスチックプレート(培養期間3週間)の比較を行った。まず透過型電子顕微鏡による形態観察を行い,両者ともに特徴的な微絨毛の構造の発達が認められ,その構造に差異は認められなかった。次に,形成された組織上にメチル水銀および野菜汁を投入してから測定までの時間を1・3・6・24時間としてメチル水銀の吸収阻害効果を測定した。この場合,野菜汁の代わりに生理食塩水を入れたものを対照区とした。その結果,両者において同様の結果が得られたため,約50分の1となるコストダウンの観点から,市販24穴プレートを用いて今後の評価を行うこととした。 野菜汁投入から反応停止までの時間により有意なメチル水銀吸収阻害効果を示す野菜の数は異なり,それぞれ1時間では0種,3時間では7種,6時間では3種,24時間では0種であった。この結果から,今回認められた効果は永続的なものではなく,時限的なものであることが明らかとなった。なお,将来的にヒトサプリメントの開発を目指すことを考慮すると効果の持続時間が長い方が望ましいので,今後は反応時間を6時間とすることとした。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
Caco2細胞を用いた評価系により数多くの野菜について1次スクリーニングができた。キットを使用しない安価な評価系となったため,今後より多くの試行錯誤をなす余裕ができている。
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Strategy for Future Research Activity |
各種クロマトグラフィーにより有効な野菜汁成分を分画し,精製を進める。また,もうひとつの評価系であるマダイ腸管による評価系を導入し,野菜のスクリーニングを実施する。
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Research Products
(1 results)