2018 Fiscal Year Research-status Report
野菜の水銀吸収阻害作用を利用した養殖魚水銀量の低減化とヒト向けサプリメントの開発
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17K07948
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Research Institution | Kindai University |
Principal Investigator |
安藤 正史 近畿大学, 農学部, 教授 (80247965)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | メチル水銀 / 腸管 / 野菜 / 養殖魚 |
Outline of Annual Research Achievements |
マダイ腸管を用いる評価系において,腸全体を用いると試料が大量に必要になることが問題となっていた。そこで,必要な試料の量を減らすことを目的として,腸を4分割して吸収阻害効果を評価した。その結果,最も頭側の部位に最も鋭敏な吸収阻害が認められたため,今後はこの部位を用いることとした。ゴボウ汁から凍結乾燥粉末を作成したところ,粉末にせずに凍結状態にして長期保管した際には阻害効果は消失したが,粉末状態では阻害効果が継続して認められた。 ゴボウ汁を分画分子量10万の限外ろ過により分画したところ,2画分ともに有意な阻害活性が認められたが,分子量10万以上により強い阻害活性が認められた。分子量10万位以下の画分をゲルろ過クロマトグラフィーにより分画したところ,40k~70kおよび1.5k~6.5kの画分に有意な阻害活性が認められた。1.5k~6.5kの画分を陽イオン交換樹脂に吸着させ,0~0.5MNaClにより溶出したところ,0.2~0.4MNaCl画分において有意な阻害活性が認められた。最後にこれらの画分をMS分析したところ,18262Daの質量を有する物質が検出された。有効な阻害活性は広範囲な成分に広がっており,目標達成のための有望な知見が得られた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
候補となる物質が広範囲に存在することが確認され,飼育実験における試行錯誤の範囲が広がった。これを試料量が少量ですむ細胞系に導入することで,さらに有効成分の絞り込みが加速することが期待できる。
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Strategy for Future Research Activity |
腸管の実験系で得られた知見を細胞の実験系に導入する。有効成分の詳細な情報が得られた時点で,飼育実験用の分画を開始する。
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Causes of Carryover |
3月分のアルバイト料の支払いが4月になったため
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Research Products
(2 results)