2019 Fiscal Year Research-status Report
The study of human resource management of Japanese overseas affiliated companies in agriculture
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17K07957
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
角田 毅 東北大学, 農学研究科, 教授 (60355261)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
藤井 吉隆 愛知大学, 地域政策学部, 教授 (10463225)
中村 勝則 秋田県立大学, 生物資源科学部, 准教授 (80315605)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | 人的資源管理 / 日系農業企業 / モチベーション |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、現在海外において農業経営を行う日系農業企業を対象に、人的資源管理の実態と課題について検討することを目的とする。今年度は、昨年度実施したベトナム南部から領域を北部及びハノイ近郊に広げ、日系農業企業4社(主として野菜作)及びベトナム農業企業2社に対して、1)現地マネージャー及び従業員に対する、就業条件や職務満足度及び2)人的資源管理の特徴とその展開プロセスについて詳細な面接調査を実施した。まず、ベトナム農企業の場合、ベトナム人従業員の怠業的傾向に対し、厳格な管理(欠勤に対する減給などのペナルティ等)を行う傾向が強かった。それに対して従業員の職務満足度は必ずしも高くなかった。一方、日系農業企業の場合は、日本的な管理をベースにしつつ、ベトナム人従業員の特性に合わせてた柔軟な管理を組み込んでいる事例が確認された。こうした事例では、従業員のモチベーションが向上し、相互に生産性を上げるための工夫を図るなどの顕著な効果が上がっていることが示唆された。また、従業員の職務満足度は概してベトナム農業企業よりも高い傾向にあった。なお、こうした人的資源管理を向上させる要因として、日本人マネージャーのこれまでの経験や考え方に加え、日本国内での就業経験を要するベトナム人のマネージャーや技能実習生が重要な役割を果たしていることも示された。こうした新たな人的資源管理をモデル化することにより、ベトナム農業の生産性を大きく向上させる可能性がある。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
ベトナムにおける主要な日系農業企業を概ね調査することができた。また、ベトナムに進出している企業の本社(日本国内)に対する調査も進めつつある。
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Strategy for Future Research Activity |
今年度もベトナムを主たる対象として、これまで明らかにされた重要な知見について、さらに詳細な調査を重ね、ベトナムにおける適切な人的資源管理の方法について解明を進める。また、これまでの研究成果のとりまとめを行い、学会発表や学術論文の公表を加速させる。
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Causes of Carryover |
海外調査において格安航空券を使用するなど費用の削減に努めた。また、新型コロナウイルスの関係で予定していた調査を実施することができなかった。今年度は調査回数を増加し、より詳細なデータを収集する。
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