2019 Fiscal Year Research-status Report
Integrated mitigation measures for agricultural crop damage induced by flood in the South-East Asia
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17K08003
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Research Institution | Ibaraki University |
Principal Investigator |
小寺 昭彦 茨城大学, 地球変動適応科学研究機関, 特命研究員 (10435589)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | 洪水被害 / 干ばつ被害 / 衛星リモートセンシング / 水資源・栽培管理 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、東南アジア地域各地域の近年の農作物の冠水・干ばつ被害実態を広域衛星リモセンと現地調査によって定量的・空間的に把握し、冠水-干ばつ被害の因果関係について水資源・栽培管理の観点から明らかにすることを目的としている。 2019年度は、前年度に引き続きベトナムを対象エリアとし衛星リモセングデータを用い、洪水および干ばつ被害と土地利用変化の関係について分析を進めた。また同国メコンデルタにおいて現地調査を行った。 洪水被害については、当該地域においては2000年以降、堤防等の洪水制御インフラおよび栽培期間短縮技術等の洪水回避技術の導入により減少傾向にあった。また干ばつ被害については、脆弱な農地の土地利用転換(例えば水田からエビ養殖池等)が進み、これまで脆弱であった農地が減少する傾向にある。一方で新たに開拓された農地において干ばつ被害が発生する傾向にあった。新規開拓農地は山間地域であることが多く、そのような土地は、もともと降雨も少なく灌漑設備もないため農地には向かなかった土地であることが多い。また2020年乾季はベトナムでも記録的な干ばつ被害が発生した。被害の多くは沿岸地域の農地であり、上流の少雨により河川水位が下がったことで塩水遡上が例年よりも広範囲・長期化した。塩水が混入した灌漑水路は灌漑に適さず、また少雨も相まって、すでに作付けされていた農作物は枯れ(直接的な干ばつ被害)、また新規作付けも遅れている(間接的な干ばつ被害)。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
今年度の研究計画の内、予定していた現地調査が十分に実施できず現地データが不足したため、洪水と干ばつ被害の因果関係の分析が未達成のままである。来年度の継続課題となる。
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Strategy for Future Research Activity |
現地調査と情報収集を実施するとともに、これまでの研究課題を引き続き実施しつつ、最終年度の課題に取り組む。
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Causes of Carryover |
研究計画の内、予定していた現地調査が十分に実施できなかったため、次年度使用が生じた。2020年度において当該助成金により現地調査と情報収集を実施するとともに、これまでの研究課題を引き続き実施しつつ、最終年度の課題に取り組む。
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