2017 Fiscal Year Research-status Report
Research of articular cartilage regeneration using biomaterials for bone and joint disease
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17K08094
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Research Institution | Obihiro University of Agriculture and Veterinary Medicine |
Principal Investigator |
佐々木 直樹 帯広畜産大学, 畜産学部, 准教授 (00360975)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | 再生医療 / ウマ / 軟骨再生 / 生体組織工学 / ジルコニア担体 / 三次元培養 / 軟骨細胞塊 |
Outline of Annual Research Achievements |
サラブレッド種5頭(平均1.6歳、375kg)の凍結間葉系幹細胞を用いた。接着培養を行いコンフルエントにした後、8×105、2×106および5×106 cellsの幹細胞をそれぞれジルコニア担体に接種した。4日間培養を行い、ジルコニア担体に細胞塊を作製した後、軟骨誘導培地(50µg/mlアスコルビン酸2-リン酸、100nMデキサメサゾン、1%ITS、1%ペニシリン/ストレプトマイシン)に交換し、7日間、14日間および21日間培養を行った(37℃、5%CO2)。走査型電子顕微鏡(SEM)を用いて細胞塊および細胞外基質の様子を観察した。また、細胞塊を採取した後、RNAの抽出およびcDNA合成を行い、リアルタイムPCRにより硝子軟骨細胞特異的遺伝子であるタイプⅡコラーゲン遺伝子(ColⅡ)の発現量(ColⅡ/GAPDH)を測定した。コントロールとして、従来より行われているペレット培養法を用いて、比較検討を行った。 【結果】SEMでは、マイクロウェル内の均一な細胞塊形成および細胞外基質の産生が確認できた。リアルタイムPCRでは8×105、2×106および5×106 cellsの順にColⅡの発現量が多くみられた。また、ジルコニア担体での培養では、ペレット培養に比べ発現量が多い傾向が見られた。 【考察】ジルコニア担体での培養において、細胞数を増やすごとにColⅡの発現量が多くみられたが、この原因として細胞数が少ない場合、細胞塊の大きさにばらつきが生じ、分化効率に影響を及ぼしたことが考えられた。本研究では、ジルコニア担体を用いることで従来の方法に比べてより硝子軟骨細胞に近い細胞塊を作製することが可能であった。今後、ジルコニア担体を馬の骨軟骨欠損モデルおよび離断性骨軟骨症の症例に対して応用していきたい。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
細胞塊作製の予備試験のとおりに研究進行している。さらに、走査型電子顕微鏡(SEM)を用いた細胞塊および細胞外基質の様子の観察、細胞塊を採取した後、RNAの抽出およびcDNA合成を行ったリアルタイムPCRによる硝子軟骨細胞特異的遺伝子のタイプⅡコラーゲン遺伝子(ColⅡ)の発現量(ColⅡ/GAPDH)の測定により予定どおりの成果が得られている。
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Strategy for Future Research Activity |
振盪培養法を用いた硝子軟骨細胞塊の作成(in vitro) 振盪培養法を用いて硝子軟骨細胞を用いた細胞塊作製の至適条件を解析する。 供試動物としてサラブレッド種馬を用いる。馬胸骨分節骨髄から骨髄液を採取する。研究1)の方法を用いて骨髄液を分離‧培養して硝子軟骨細胞スフィアを得る。得られた細胞スフィアを1×104、1×105、1×106、1×107の細胞数の群に分けて3次元振盪培養法で培養を行い、硝子軟骨の細胞外マトリックスを保持した細胞塊として回収する。細胞数による細胞塊の細胞数、大きさ、分布をCCK-8 testおよび組織学的検査により評価する。本研究により, 振盪培養法を用いた硝子軟骨細胞塊の安定的な条件が確認され、研究3)以降のin vivoの実験に必要な条件を確定する。予備実験においてすでに硝子軟骨細胞塊の作製を確認しており、その再現性を高める。また、細胞塊が十分な大きさが得られない場合には、セルカルチャーインサート法など別の細胞シート培養法を検討するなど柔軟に対応する。
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