2018 Fiscal Year Research-status Report
Research of articular cartilage regeneration using biomaterials for bone and joint disease
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17K08094
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Research Institution | Yamaguchi University |
Principal Investigator |
佐々木 直樹 山口大学, 共同獣医学部, 教授 (00360975)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | 再生医療 / 軟骨再生 / 動物医療 / 生体組織工学 / 多孔質担体 / ジルコニア |
Outline of Annual Research Achievements |
背景:サラブレッド種において、離断性骨軟骨症、軟骨下骨嚢胞および剥離骨折によって起こる関節軟骨の損傷は、跛行およびプアパフォーマンスにつながる重要な疾患である。現在、関節軟骨損傷に対する治療法として、主に関節鏡を用いた軟骨片除去および欠損部位のデブリドメントが行われているが、軟骨組織は再生能が乏しいため、関節本来の機能が回復しない場合もある。近年、ヒト間葉系幹細胞を用いた3次元多孔質ジルコニアマイクロウエル細胞培養担体(ジルコニア担体、CERAHIVETM)による軟骨様細胞塊の作製が報告された。ジルコニア担体は直径500 microのU字型細胞増殖空間を有し、多孔質構造により細胞塊の全方向からの培養液供給が可能となっている。このため、均一な細胞塊を大量に作製でき、高い分化効率と再現性を有するとされている。本研究では、ジルコニア担体を馬の関節軟骨疾患に対して応用するため、骨髄由来馬間葉系幹細胞を用いて硝子軟骨細胞塊の作製方法を検討した。 結果:SEMでは、マイクロウエル内の均一な細胞塊形成および細胞外基質の産生が確認できた。リアルタイムPCRでは、軟骨誘導7日目の2×106および5×106 cellsの検体においてペレット培養に比較してColIIの発現量が有意に高値を示した。 考察:ジルコニア担体での培養において、細胞数を増やすごとにColIIの発現量が多くみられたが、この原因として細胞数が少ない場合、細胞塊の大きさにばらつきが生じ、分化効率に影響を及ぼしたことが考えられた。本研究では、ジルコニア担体を用いることで従来の方法に比べてより硝子軟骨細胞に近い細胞塊を作製することが可能であった。今後、ジルコニア担体を馬の離断性骨軟骨症の症例に対して応用していきたい。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
研究計画に従い、研究を推進している。すなわち、ヒト間葉系幹細胞を用いた3次元多孔質ジルコニアマイクロウエル細胞培養担体(ジルコニア担体、CERAHIVETM)による軟骨様細胞塊の作製が報告に従い、ジルコニア担体は直径500 microのU字型細胞増殖空間を有し、多孔質構造により細胞塊の全方向からの培養液供給が可能とする。また、均一な細胞塊を大量に作製でき、高い分化効率と再現性を有することを証明するため、ジルコニア担体を馬の関節軟骨疾患に対して応用するための骨髄由来馬間葉系幹細胞を用いて硝子軟骨細胞塊の作製方法を検討している。
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Strategy for Future Research Activity |
今後、研究計画にしたがい、残りの試験を実施する。今後、ヒト間葉系幹細胞を用いた3次元多孔質ジルコニアマイクロウエル細胞培養担体(ジルコニア担体、CERAHIVETM)による軟骨様細胞塊の作製が報告に従い、ジルコニア担体は直径500 microのU字型細胞増殖空間を有し、多孔質構造により細胞塊の全方向からの培養液供給が可能とする。また、均一な細胞塊を大量に作製でき、高い分化効率と再現性を有することを証明するため、ジルコニア担体を馬の関節軟骨疾患に対して応用するための骨髄由来馬間葉系幹細胞を用いて硝子軟骨細胞塊の作製方法を検討する。
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