2019 Fiscal Year Annual Research Report
Clinical administration of AIM and establishment of renal function markers in cats with spontaneous chronic renal failure
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17K08097
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
森 伸子 東京大学, 大学院医学系研究科(医学部), 客員研究員 (10644536)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | 猫 / 臨床研究 / 腎臓病 / IRIS |
Outline of Annual Research Achievements |
令和元年度においては、引き続き、東京、大阪、京都、岡山、鳥取、愛媛の協力動物病院と連携し、腎臓病猫に対するAIMの用量の違いによる効果を検証することとし、低用量と高用量投与の2郡比較を行った。プロトコールは、高用量(50unit)または、中用量(10unit)のいずれかの量のAIMを初回に投与し、その後4回、維持量を投与することとした。群分けについては、ランダム化による二重盲検比較試験で行った。対象は、15歳以下の自然発症した腎臓病の猫(国際獣医腎臓病研究グループ(IRIS)が設定した慢性腎臓病のステージ2)を各病院より、推薦していただいた。条件が合致した猫に関しては、投与決定前に、担当獣医師による詳細な事前健康診断と血液生化学検査、炎症マーカー、高齢猫に多くみられる疾患マーカー(糖尿病、甲状腺疾患)、IgE測定を行い、最終的な健子状態を把握し、対象猫を選定した。検査ポイントは、事前検査、1回目投与後、2-5回目投与前、全投与終了1週間後、全7回の計91日間を経過観察とした。14頭の猫に参加いただき、家庭での様子をウェルネスシートに記録いただき、健康状態、食欲、活動性なども、飼い主に協力をいただき観察した。結果としては、各マーカーの変動やQOLの報告から、状態を維持している(進行、悪化させない)可能性が高まったと考えられた。また、飼い主の意見を直接聞く聞く機会が多くあり、投与後の体調、食欲、行動の改善の様子も具体的に見えてきた。課題としては、AIMの投与方法が、その形状より静脈投与であるため、猫にとっては負担が大きい。またAIMの保管は、状態変化を最小限にとどめる為、冷凍保存を推奨しており、実際の獣医療では、より保管しやすく、扱いが容易なものが望まれる。故に、AIMの形状検討、保存耐久性の確認も、効果検証とともに、行っていく必要が今回特に明らかとなった。
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