2019 Fiscal Year Annual Research Report
Development of siRNA therapy for liver-metastasized tumor by sequential intravenous injection of chondroitin sulfate and siRNA lipoplex
Project/Area Number |
17K08251
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Research Institution | Hoshi University |
Principal Investigator |
服部 喜之 星薬科大学, 薬学部, 教授 (90350222)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | siRNA / がん治療 / 正電荷リポソーム / コンドロイチン硫酸 / 転移がん |
Outline of Annual Research Achievements |
昨年度、11種類の正電荷リポソームを用いて短鎖2本鎖RNA(siRNA)との複合体(siRNAリポプレックス)を調製し、コンドロイチン硫酸(CS)とsiRNAリポプレックスの連続投与後の肝臓における標的遺伝子の発現抑制効果について検討を行ったところ、3種類の正電荷リポソーム製剤(TC-1-12/DOPE, DC-1-16/DOPE, DC-1-18/DOPEの組成の正電荷リポソーム製剤)において肝臓での有意な遺伝子発現抑制効果が観察されたが、これまで検討してきたDOTAPとコレステロールの組成の正電荷リポソームよりも高い遺伝子発現抑制効果を誘導できる組成は見つからなかった。そのため、DOTAPとコレステロールの組成からなる正電荷リポソーム製剤を用いて、子宮頸がんHeLa細胞をマウス肝臓に転移させたモデルに対してCSとsiRNAリポプレックスの連続投与によるがん治療を行った。治療用siRNAは、がん増殖抑制効果を誘導できるpolo-like kinase 1 (PLK1)やheat shock transcription factor-1 (HSF-1)に対するsiRNAを用いた。その結果、どちらのsiRNAを用いた場合においても、肝臓へのがんの転移が抑制できることが判った。そのため、CSとsiRNAリポプレックスの連続投与は肝転移がんの治療に対して有効であるが、肝臓へのsiRNAの集積性や遺伝子発現抑制効果は、正電荷リポソームの正電荷脂質の違いにより大きく影響を受けることが判った。今後も肝転移がんに対するsiRNAの治療において、連続投与法が臨床応用できるよう、研究開発を進めたいと考えている。
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