2019 Fiscal Year Annual Research Report
Potential involvement of the mitochondrial unfolded protein response in depressive-like symptoms
Project/Area Number |
17K08310
|
Research Institution | Kagoshima University |
Principal Investigator |
神戸 悠輝 鹿児島大学, 医歯学域医学系, 講師 (60549913)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
宮田 篤郎 鹿児島大学, 医歯学域医学系, 教授 (60183969)
栗原 崇 鹿児島大学, 医歯学域医学系, 准教授 (60282745)
|
Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2020-03-31
|
Keywords | うつ病 / ミトコンドリア変性タンパク質ストレスレスポンス / ATF5 / うつ病モデルマウス |
Outline of Annual Research Achievements |
前年度,ミトコンドリア変性タンパク質ストレスレスポンス (UPRmt) のマスターレギュレータであるactivating transcription factor 5 (ATF5) と,UPRmtを惹起することが報告されている.そこで,ミトコンドリアマトリックスに発現するタンパク質であるオルニチントランスカルバミラーゼの一部欠損体 (ΔOTC) を発現させるアデノ随伴ウイルス (AAV) の血清型5をp1新生仔の脳室内に投与した.しかしながら,ATF5あるいはΔOTCの強い発現が観察されなかったことから,AAVの血清型を9に変更し再度AAVの調製を試みた.その結果,4×10^13 vg/mLの非常に高濃度のAAVビリオンを獲得できた.その後,これらのAAV9を,p1新生仔脳室内に2 μL投与し,8週間後においてマウスを潅流固定後,脳内におけるEGFPの発現を観察すると,脳内に広くEGFPの緑色蛍光を発する神経細胞が認められた事から,血清型を9にすることで幼弱な神経細胞にも遺伝子を導入することができることが明らかとなった.さらに驚くべきことに,投与後8週間を経ても強い遺伝子発現を維持することが明らかとなった.このような脳全域に広くATF5あるいはΔOTCを発現するマウスを行動実験に供すると,(1) オープンフィールド試験における総移動距離に著明な変化は見られなかった.(2) ATF5あるいはΔOTCのいずれの遺伝子を強制発現させた場合においても,強制水泳試験あるいは尾懸垂試験において,実験時間中における無働時間の延長傾向がみられた.以上の結果から,ATF5あるいはΔOTCの強制発現はマウスに対してうつ病様の行動を惹起する可能性が示唆された.
|
Research Products
(13 results)