2019 Fiscal Year Annual Research Report
Analysis of spatiotemporal dynamics of Munc13-1 nanoclusters associated with synaptic transmission
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17K08584
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
並木 繁行 東京大学, 大学院医学系研究科(医学部), 講師 (90452193)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | シナプス / 超解像イメージング |
Outline of Annual Research Achievements |
昨年度までに、単一分子局在化法を原理とする超解像イメージングを生きた細胞に適用できるようにするために、細胞内の標的分子に標識した蛍光プローブを高速で明滅させる技術を確立した。本年度は昨年度に開発した高速で蛍光明滅が可能な蛍光明滅分子タグと蛍光明滅プローブの組み合わせを用いて、実際に生きた神経細胞での超解像イメージングに取り組んだ。培養海馬神経細胞に観察対象のシナプス分子と蛍光明滅分子タグの融合タンパク質を発現させるために、レンチウイルスやアデノ随伴ウイルスの発現ベクターを作成した。これらのウイルスベクターを用いて、培養神経細胞内に発現させた融合タンパク質の細胞内の局在を神経細胞の形態と対応付けて確認し、蛍光明滅分子タグを付加した際に内在性の標的タンパク質と同様の局在を示すかどうか調べた。また、発現した融合タンパク質を高いシグナル/ノイズ比で蛍光標識できるように蛍光プローブの種類や濃度など標識条件を最適化した。また、本研究で開発した蛍光明滅技術を用いて超解像イメージングを行うための光学系の最適化も行った。観察対象の分子に由来する1分子蛍光シグナルとバックグラウンド蛍光の比が最も高くなるように励起・蛍光波長にフィットした光学フィルターや半導体レーザーを選定した。以上の標本の作製条件、顕微鏡のセットアップを完了し、生きた培養委海馬神経細胞で単一分子局在化法によりシナプス分子の超解像イメージングを行うことができた。 本研究の成果は今後シナプス伝達に関与する多くのシナプス分子のナノメートルスケールの微細な配置の時空間動態の解析のみならず、中枢での神経伝達以外の多様な細胞機能に関与する分子群の微細配置の時空間動態の解析への適用が期待できる。
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