2018 Fiscal Year Research-status Report
次世代心不全治療薬の開発:NFATc4サブタイプ選択的阻害剤の探索
Project/Area Number |
17K08585
|
Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
熊谷 英敏 東京大学, 医学部附属病院, 特任助教 (20281008)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
池田 祐一 東京大学, 医学部附属病院, 特任准教授 (10744419)
東口 治弘 東京大学, 医学部附属病院, 特任准教授 (40436358)
|
Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2020-03-31
|
Keywords | NFAT / 選択的阻害剤 / ハイスループットスクリーニング |
Outline of Annual Research Achievements |
本年度は、樹立したアッセイ系を運用してパイロット的に小規模の化合物ライブラリーをスクリーニングし、スクリーニングフォーマットの確立を目指した。北里大学薬学部微生物薬品製造学教室と共同研究を行い、当教室の所有する微生物由来の天然化合物ライブラリー(269種類)を用いてスクリーニングを行なった。一次スクリーニングでは、10microgram/mlの各試料を用いてNFATc4に対する影響を調べた。NFATc4転写活性の50%以上阻害を指標としたところ58化合物(ヒット率:約20%)が見出された。二次スクリーニングでは、 NFATc4に対する阻害活性の再現性とサブタイプ選択的阻害活性を示す化合物を同定するために、これらの58化合物を4種全てのNFAT(NFATc1、NFATc2c、NFATc3及びNFATc4)の転写活性に対する影響を調べた。その結果、NFATc4に選択的阻害活性を示す化合物は見出せなかった。しかしながら二種類の興味深い化合物を見出すことができた。それらの性状は、①NFATc3をほとんど阻害せずに、NFATc1、NFATc2及びNFATc4に強い阻害活性を示す化合物、②NFATc3を強く阻害し、NFATc1、NFATc2及びNFATc4を弱く阻害する化合物であった。今後、これらの化合物を化学修飾することで各種NFATサブタイプに対する更なる偏向的阻害活性の誘導を試み、 NFATc4サブタイプ選択的な阻害活性を示す化合物の開発を目指す。また、カビ、放線菌などの微生物の培養上清や東京大学創薬機構の所有するフォーカスト化合物ライブラリーなどを用いてスクリーニングを継続して行う。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
アンギオテンシンタイプI受容体下流のシグナル伝達系を機能的NFAT欠損細胞に導入して各種NFATサブタイプのアッセイ系を樹立した。樹立したアッセイ系を運用し、小規模の化合物ライブラリー(微生物由来の天然化合物269種)をスクリーニングすることで、スクリーニングフォーマットの実用性を検討し、合わせてスクリーニングレベルにおけるヒット率を調べた。今回のスクリーニングでは最終的にNFATc4サブタイプ選択的な化合物の同定には至らなかったが、一次スクリーニングで得られたヒット率から、今後より大規模の化合物ライブラリーのスクリーニングも対応できることが明らかとなった。
|
Strategy for Future Research Activity |
樹立したアッセイ系を微生物由来の天然化合物ライブラリー(269種)に運用したところ、今回のスクリーニングフォーマットで、より大規模の化合物ライブラリーにも対応できることが明らかとなった。今後、カビ、放線菌などの微生物の培養上清や東京大学創薬機構の所有するフォーカスト化合物ライブラリーなどを用いてスクリーニングを継続して行う。 また、パイロットスクリーニングでは、NFATc3サブタイプ以外を強く阻害する化合物や、逆にNFATc3サブタイプをより強力に阻害する化合物など、NFATサブタイプに偏向的な阻害活性を示す化合物が見出された。今後、これらの化合物を化学修飾することで各種NFATサブタイプに対する更なる偏向的阻害活性の誘導を試み、 NFATc4サブタイプ選択的な阻害活性を示す化合物の開発を目指す。
|
Causes of Carryover |
小規模の化合物ライブラリー(微生物由来の269種類の天然化合物)を用いて行なったパイロットスクリーニングによりスクリーニングフォーマットが確立できた。今後、カビ、放線菌などの微生物の培養上清や東京大学創薬機構の所有するフォーカスト化合物ライブラリーなどを用いて大規模にスクリーニングを継続して行うために次年度に予算の執行を繰り越した。
|
Research Products
(6 results)
-
[Journal Article] Critical Role of SREBP-1c Large-VLDL Pathway in Environment-Induced Hypertriglyceridemia of Apo AV Deficiency2019
Author(s)
Takanashi M, Kimura T, Li C, Tanaka M, Matsuhashi A, Yoshida H, Noda A, Xu P, Takase S, Okazaki S, Iizuka Y, Kumagai H, Ikeda Y, Gotoda T, Takahashi M, Yagyu H, Ishibashi S, Yamauchi T, Kadowaki T, Liang G, Okazaki H.
-
Journal Title
Arteriosclerosis, Thrombosis, and Vascular Biology
Volume: 39
Pages: 373~386
DOI
Peer Reviewed
-
[Journal Article] Discovery of a Small Molecule to Increase Cardiomyocytes and Protect the Heart After Ischemic Injury2018
Author(s)
Hara H, Takeda N, Kondo M, Kubota M, Saito T, Maruyama J, Fujiwara T, Maemura S, Ito M, Naito AT, Harada M, Toko H, Nomura S, Kumagai H, Ikeda Y, Ueno H, Takimoto E, Akazawa H, Morita H, Aburatani H, Hata Y, Uchiyama M, Komuro I.
-
Journal Title
JACC: Basic to Translational Science
Volume: 3
Pages: 639~653
DOI
Peer Reviewed
-
-
[Journal Article] Impact of Pathogenic FBN1 Variant Types on the Progression of Aortic Disease in Patients With Marfan Syndrome2018
Author(s)
Takeda N, Inuzuka R, Maemura S, Morita H, Nawata K, Fujita D, Taniguchi Y, Yamauchi H, Yagi H, Kato M, Nishimura H, Hirata Y, Ikeda Y, Kumagai H, Amiya E, Hara H, Fujiwara T, Akazawa H, Suzuki JI, Imai Y, Nagai R, Takamoto S, Hirata Y, Ono M, Komuro I.
-
Journal Title
Circulation: Genomic and Precision Medicine
Volume: 11
Pages: e002058
DOI
Peer Reviewed
-
-