2021 Fiscal Year Annual Research Report
Regulatory mechanisms of immune checkpoint PD-L1 via the Arf6 pathway in progressive cancer
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17K08614
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
橋本 あり 北海道大学, 医学研究院, 助教 (60390803)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | Arf6 / PD-L1 / 免疫チェックポイント / 免疫回避 / 癌免疫 |
Outline of Annual Research Achievements |
膵癌は5年生存率が10%未満の難治癌であり、薬剤抵抗性も高く予後不良である。現行治療の効力は限定的であり、免疫チェックポイント阻害療法も単剤での効果が低いことから、併用療法を含む新たな治療法の創出が待たれている。 これまでに、膵癌のドライバー遺伝子KRAS変異とTP53変異が協調してArf6-AMAP1経路を高発現させ活性化することにより浸潤・転移等の悪性度進展に関与すること、さらに膵癌モデルマウス由来細胞を用いた解析から当該経路が免疫回避に関与し、その機序の一つとして当該経路が免疫チェックポイント分子PD-L1の細胞膜表面へのリサイクリングの亢進に関与する新規作用機序を見出した。また、エピジェネティック因子EZH2がArf6及びPD-L1の発現制御に関与することを見出し、その制御候補分子の同定を行った。 本研究は、Arf6-AMAP1経路によるPD-L1の制御機構を明らかにし、免疫回避の分子機序の解明並びに免疫チェックポイント阻害療法の改善を目指した研究である。2021年度において、抗PD-1抗体とArf6-AMAP1経路阻害を併用することにより、免疫チェックポイント阻害療法に対する抵抗性を改善出来るかについて膵癌マウスモデルを用いて検討を行った。Arf6-AMAP1経路阻害として、まずshAMAP1細胞を用い抗PD-1抗体の腫瘍抑制効果に与える影響を検討した。その結果、AMAP1発現阻害との併用によって腫瘍形成に対する著しい抑制効果を示すことが観察された。さらに、Arf6の産生抑制効果を見出したeIF4A阻害剤Silvestrolを処理することによっても、同様な相乗的な抗腫瘍効果を示した。これらの解析から、Arf6-AMAP1経路高発現膵癌において、Arf6-AMAP1経路阻害との併用により免疫チェックポイント阻害療法の改善につながることが示唆された。
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Research Products
(5 results)
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[Presentation] Pancreatic KRAS/TP53 mutations promote ARF6-based immune evasion via activating mRNA translation and protein prenylation2021
Author(s)
Shigeru Hashimoto, Ari Hashimoto, Shotaro Furukawa, Akio Tsutaho, Yasuhito Onnodera, Yutaro Otsuka, Haruka Handa, Tsukasa Oikawa, Soichiro Hata, Akira Fukao, Yusuke Mizukami, Masaaki Murakami, Toshinobu Fujiwara, Satoshi Hirano, and Hisataka Sabe
Organizer
第7回北大部局横断シンポジウム