2017 Fiscal Year Research-status Report
不死化細胞を用いたFLCN機能不全の解析および多彩な腎病変の病理学的研究
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17K08745
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Research Institution | Yokohama City University |
Principal Investigator |
古屋 充子 横浜市立大学, 医学部, 准教授 (10361445)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
田中 玲子 千葉大学, 真菌医学研究センター, 助教 (60143319)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | 家族性腫瘍 / 腎細胞がん / BHD症候群 / 遺伝性平滑筋腫症-腎細胞癌症候群 / HLRCC |
Outline of Annual Research Achievements |
Birt-Hogg-Dube (BHD) 症候群における腎腫瘍を中心にBHD症候群の疫学、臨床、病理、分子発現解析などを精力的に進め発表してきた。遺伝学的検査で確定した発端者は累計180名、BHD症候群関連疾患の既往がある家系内血縁者計400名となった。それらの疫学集計を行った。本邦におけるFLCN変異はこれまでで40の異なるパタ-ンからなり、うち新規と考えられる変異が10パターン含まれていた。これまでイントロンスプライス部位の変異はエクソンスキップを生じることが報告されていたが、今回我々は肺手術検体からRNAとタンパク質を抽出し、イントロ領域が100塩基以上ミスリードされている症例を同定し報告した。日本人家系における腎腫瘍罹患率は全体では19.2%だったが、40歳以上の中高年層のみでは34.8%であった。
次世代シーケンサー(NGS)を用いBHD腎がんのゲノム解析を行った。FLCN以外に共通する遺伝子変異は見つからず、FLCN単独で強力なドライバー遺伝子としての発がんを促進していると示唆された。
BHD症候群が疑われながら肺嚢胞を起こさない予後不良家族性腎癌が3家系見つかった。いずれもType2 乳頭状腎細胞癌で、高度核異型を有する特徴がみられ、FH(フマル酸ヒドラターゼ)が免疫染色で欠損していることが示唆される共通点があった。いわゆるFH欠損腎癌で、遺伝性平滑筋腫症-腎細胞癌症候群(hereditary leiomyomatosis renal cell carcinoma; HLRCC)であることが示唆された。遺伝カウンセリングと疾患説明を行い同意を得て遺伝学的検査をしたところ、3家系とも病的変異を有することが判明した。これら3つの変異はいずれも過去に報告のない新規と考えられ、未だ日本人では殆ど情報がない新規遺伝病の疫学研究をスタートさせることになった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
FLCNの機能解析を行っているが、一方BHD症候群との鑑別が難しいHLRCC情報が少しずつ集まりはじめ、いずれも確定診断に対する強い要望があったためHLRCC検査を優先させてきた。まだ世界的にもホットスポットは見つからず日本人情報も皆無に近いため、胚細胞および体細胞レベルでのFH状態の検討やシグナル異常についての基礎研究を並行して行っている。
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Strategy for Future Research Activity |
NGS解析からFLCN変異腎がんにはメタボローム異常やクロマチンリモデリング異常が起こりやすいことが明らかになった。特にTCA回路における酵素発現に差異が生じやすいことをヒントに予防や治療につながるkey moleculeを検討する。HLRCCや、同じく若年発症しやすく進行がんも多いXp11.2転座腎がんの確定診断に対する要望が今後さらに増加する可能性が高いことから、当初の計画を一部変更し、BHD腎がんと並行してHLRCCなどの希少腎がん解析を全国から広く受けつけ、診療に貢献する体制を整えることとする。
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[Journal Article] Establishment and Characterization of BHD-F59RSVT, an Immortalized Cell Line Derived from a Renal Cell Carcinoma in a Patient with Birt-Hogg-Dubé Syndrome.2017
Author(s)
Furuya M, Hasumi H, Baba M, Tanaka R, Iribe Y, Onishi T, Nagashima Y, Nakatani Y, Isono Y, Yao M
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Journal Title
Lab Invest
Volume: 97
Pages: 343-351
DOI
Peer Reviewed
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[Journal Article] H255Y and K508R missense mutations in tumor suppressor folliculin (FLCN) promote kidney cell proliferation2017
Author(s)
Hasumi H, Hasumi Y, Baba M, Nishi H, Furuya M, Vocke CD, Lang M, Irie N, Esumi C, Merino MJ, Kawahara T, Isono Y, Makiyama K, Warner AC, Haines DC, Wei MH, Zbar B, Hagenau H, Feigenbaum L, Kondo K, Nakaigawa N, Yao M, Metwalli AR, Marston Linehan W, Schmidt LS
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Journal Title
Hum Mol Genet
Volume: 26
Pages: 354-366
DOI
Peer Reviewed / Int'l Joint Research
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[Journal Article] Review of hereditary leiomyomatosis renal cell carcinoma with focus on clinical and pathobiological aspects of renal tumor2017
Author(s)
Kuroda N, Ohe C, Kato I, Furuya M, Baba M, Nagashima Y, Nakatani Y, Murakami I, Zhou M, Michal M, He O, Amin MB
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Journal Title
Pol J Pathol
Volume: 68
Pages: 284-290
DOI
Peer Reviewed
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