2019 Fiscal Year Annual Research Report
Highly reactive ILC2s in the lungs of Strongyloides venezuelensis infection-experienced mice
Project/Area Number |
17K08813
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Research Institution | Hyogo Medical University |
Principal Investigator |
安田 好文 兵庫医科大学, 医学部, 講師 (50333539)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | TSLP / RNA-seq / IL-25 |
Outline of Annual Research Achievements |
糞線虫Strongyloides venezuelensis(Sv)感染マウスは、感染排除後も長期間に渡りグループ2自然リンパ球(ILC2s)が肺に残り、次の感染に備えている。前年度までに、Sv感染経験マウスはパパインに対しても強く反応すること、Sv感染後の肺ではILC2sがメモリー様細胞として存続し、次の感染に対して高い反応を示して生体防御に働くことを明らかにした。本年度はメモリー様ILC2誘導における上皮由来サイトカインの役割を調べるため、IL-25RKO、TSLPRKOマウスを用いてSv感染実験を行った。IL-25RKOでは感染後の肺のILC2、好酸球ともに野生型マウスと比較して特に違いは認められなかったが、TSLPRKOマウスではILC2、好酸球が減少していた。Sv感染に対する抵抗性は、いずれのマウスも感染7日目前後の糞便中虫卵数が野生型マウスに比べて増加しており、この傾向はTSLPRKOマウスでより顕著であった。しかし、その後は腸管から速やかに排除されたことから、腸管における免疫応答は正常と考えられた。さらに、ILC2のメモリー様細胞への分化におけるこれらのサイトカインの影響を検討するため、Sv感染1ヶ月後にSvとは別種の腸管寄生線虫であるNippostrongylus brasiliensis(Nb)を感染させ、これに対する抵抗性を検討した。しかし、IL-25RKO、TSLPRKOマウス共に野生型マウスと同様にSv感染経験によるNb抵抗性を示したことから、メモリー様ILC2分化にはIL-25、TSLPは必須ではないと考えられた。このメモリー様ILC2の特徴を明らかにするため、RNA-seq解析を行い、メモリー様ILC2がナイーヴILC2と遺伝子発現パターンが大きく異なることを見出した。次の研究課題ではこの結果に基づいてメモリー様ILC2の性質を明らかにする。
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Research Products
(10 results)