2017 Fiscal Year Research-status Report
ツパイを用いたHBV高感受性系統樹立と自然免疫影響下でのHBV遺伝子の変異解析
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17K08873
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Research Institution | National Institutes of Biomedical Innovation, Health and Nutrition |
Principal Investigator |
高野 淳一朗 国立研究開発法人医薬基盤・健康・栄養研究所, 霊長類医科学研究センター, 研究員 (20416275)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | B型肝炎ウイルス / 感染動物モデル / ツパイ |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究ではヒトと類人猿以外で唯一B型肝炎ウイルス(HBV)に感受性のあるツパイ(Tupaia belangeri)を用いて、HBV感染動物モデルの作製を目的としてHBV高感受性ツパイ系統の樹立を目標としている。 本年度は、雑系動物であるツパイを用いることから接種するHBVを、キメラマウス血清に加えて、品質が均一である分子クローンを用いHBVに感受性の高いツパイ系統の選別を目的として定量PCRによる血中ウイルス量の測定を行った。F1群とF2群の不定判定も含めたウイルス検出率の比較を行った結果、50%以上の検出率を示した個体はF1群の17%(11/63)、F2群は46%(19/41)、33%以上ではF1群51%(32/63)、F2群34%(14/41)とF2群で高い血中でのHBVゲノムの検出率が確認されたが、血中ウイルス量については大きな変化は認められなかった。この結果については、F2個体が若く検査数が少ないためにウイルスの検出率が高いためとも考えられるが、高感受性ツパイ系統樹立への可能性も示唆された。また、F2個体の41頭中27頭は分子クローンを接種しており、F2個体群においてもキメラマウス血清と同等のウイルス検出率が認められた。 分子クローンについては、キメラマウス血清から検出されたHBVゲノムのクローニングを行い、50%の頻度で検出された1.24倍長のHBVゲノムをリファレンスクローンとして用いているが、このリファレンスクローンを基にして臨床症状やウイルス複製と関連が高いと言われている遺伝子変異であるA1762T/G1764AとG1896Aを導入した変異導入分子クローン及び両方の変異を導入した変異導入分子クローンの作製を行い、次年度に向けての準備を行った。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初の予定通りにツパイへの感染実験が実施できている。
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Strategy for Future Research Activity |
3種類の変異導入分子クローンの作製も完了し、当初の研究計画通りに推進できることができると考えられる。
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Causes of Carryover |
初年度である本年度中では高い血中HBV量を示す個体が得られなかったため、遺伝子解析関連試薬の購入を見送り、翌年度にまとめて購入することとした。
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