2019 Fiscal Year Annual Research Report
Establishment of breeding colony of tree shrews (Tupaia belangeri) for HBV chronic infected animal model and genome sequence analysis
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17K08873
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Research Institution | National Institutes of Biomedical Innovation, Health and Nutrition |
Principal Investigator |
高野 淳一朗 国立研究開発法人医薬基盤・健康・栄養研究所, 医薬基盤研究所 霊長類医科学研究センター, 研究員 (20416275)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | B型肝炎ウイルス / 感染動物モデル / ツパイ |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究ではヒトと類人猿以外で唯一B型肝炎ウイルス(HBV)に感受性のあるツパイ(Tupaia belangeri)を用いて、HBV感染動物モデルの作製を目的としてHBV高感受性ツパイ系統の樹立を目標としている。 3年目となる本年度でも1年目、2年目に引き続き、雑系動物であるツパイを用いることから接種するHBVを、キメラマウス血清に加えて、品質が均一である分子クローンを用いHBVに感受性の高いツパイ系統の選別を目的として定量PCRによる血中ウイルス量の測定を行った。また、1年目に作製したA1762T/G1764AとG1896Aを導入した変異導入分子クローン及び両方の変異を導入した変異導入分子クローンを用いた感染実験を行った。 昨年度までに、生後52週齢までのHBV感染キメラマウス血清を感染させたマウス血清群とリファレンスクローンを感染させた群との比較を行った結果、リファレンスクローンを感染材料とした場合でも、キメラマウス血清と同等のウイルス検出率であることが確認し、リファレンスクローンを感染させたF2群とF1群のウイルス検出率の比較では2倍以上の検出率であったことからHBVに高感受性なツパイ系統の樹立への可能性が強く示唆されている。また、本年度行った変異導入分子クローンの感染実験では、現在のところA1762T/G1764Aの変異だけを導入した分子クローン2個体とG1896Aの変異だけを導入した1個体において血中ウイルスが検出されているが、両方の変異を導入したクローンでは検出されていない。サンプル数がまだ少ないが、ウイルスの複製を増強すると言われている変異であっても、血中ウイルス量には影響が少ないと示唆された。 また、キメラマウス血清を接種した300週齢のF1個体の1個体で、肝臓の腫瘍が確認でき、現在病理解析を進めているが、分子クローンでも肝臓の腫瘍化への可能性が示唆された。
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