2019 Fiscal Year Annual Research Report
Proteome analysis and living cell imaging of mast cell secretory granules
Project/Area Number |
17K08890
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Research Institution | Tokyo Women's Medical University |
Principal Investigator |
田中 正太郎 東京女子医科大学, 医学部, 助教 (90380667)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | 分泌顆粒 / マスト細胞 / 磁性ビーズ / プロテオミクス / 新規分泌顆粒局在タンパク質 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究課題では、アレルギー症状の責任細胞であるマスト細胞の分泌顆粒について、①局在タンパク質の組成の解析、および②ライブイメージングによる構造解析を行い、分子および構造的特徴に基づく分類を達成することを期間全体での目標と設定した。この達成により、分泌顆粒の合成・放出・再生の経路を明らかにし、アレルギー症状緩和治療に貢献する新規の分子標的候補の選出を期待した。現在の緩和治療はマスト細胞より放出されるアレルギー症状惹起物質であるヒスタミンの受容体結合を抑制するいわゆる「対症療法」であり、本研究課題が目指す「分泌顆粒のライフサイクルに係る分子を特定する」ことが達成されれば、これに干渉するなんらかの処置を検討することで症状を緩和させる新たな治療法につながる可能性がある。 最終年度である本年度は、新たに特定の分泌顆粒を高効率に回収する技術を考案した。これはあらかじめマスト細胞細胞株に蛍光タンパク質を分子生物学的に融合させた分泌顆粒結合タンパク質を安定発現させておき、その細胞破砕液から蛍光タンパク質に結合する抗体を連結した磁性ビーズを利用して分泌顆粒のみを吸着回収するというものである。その結果、プロテオミクス解析(質量分析:委託)を実施するのに十分な量の試料を準備することができた。解析の結果、分泌顆粒に結合するという報告の無い186遺伝子の翻訳産物を同定した。この中には創薬研究上有用なキナーゼや低分子GTP結合タンパク質、糖鎖分解酵素などが含まれていた。一部を選びそれぞれマスト細胞に発現させたところ、分泌顆粒への局在が確認された。
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