2017 Fiscal Year Research-status Report
Project/Area Number |
17K08939
|
Research Institution | Okayama Shoka University |
Principal Investigator |
粟屋 剛 岡山商科大学, 法学部, 教授 (20151194)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
村岡 潔 佛教大学, 社会福祉学部, 教授 (10309081)
宍戸 圭介 名古屋経済大学, 法学部, 教授 (10524936)
中塚 幹也 岡山大学, 保健学研究科, 教授 (40273990)
|
Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2020-03-31
|
Keywords | 生命倫理 / バイオエシックス / 手術誘因 |
Outline of Annual Research Achievements |
近時、我が国でも過剰医療(過剰検査、過剰診断、過剰投薬、過剰手術など)が問題となりつつあるが、本研究はこの過剰医療、とりわけ過剰手術と連動する(しやすい)「手術誘引」(=手術への意図的な誘い込み)の問題を総合的かつ分析的に研究するものである。具体的には、法的に問題のある(ありそうな)手術誘引のみならず、法的に問題はなくても倫理的に問題のある(ありそうな)手術誘引のケースを裁判例、メディア情報、日常事例などから収集、類型化し、それらへの有効、適切な対応策(解決策)を発案しようとするものである。 上記のような基本的視点のもとに、今年度は2回の科研研究会を開催した。また、生命倫理関係の研究会でも報告した。そして、これらによってきわめて重要な気づきを得た。以下、それらを具体的に示す。 第1回科研研究会(釧路生命倫理フォーラムの一部、北海道釧路市、2017年8月7日)では手術誘因研究の全体像を確認し、問題点を整理するなどした(粟屋報告及び宍戸報告)。第2回科研研究会(山口県宇部市、2018年3月30日)では「熊本大学医学部付属病院事件」を取り上げ(粟屋報告)、集中的に討議した。ほか、第34回西日本生命倫理研究会(福岡市、2018年3月17日)で「慈恵会医科大学青戸病院事件」を取り上げ(粟屋報告)、参加者とともに集中的に討議した。 これらの研究会(及び、それらに基づく各自の個別の思索)を通じての最大の発見(気づき)は、手術誘因自体の歴史は長いが、その全体像はまったく 明らかではない(明らかにされていない)ということであった。もう一点、医学(系)研究一般への誘因、とりわけ、手術を含む臨床研究への誘因との比較をしない限り全体像を明らかにすることは難しいという事実も、明らかになった。2018年度はこれらの点を踏まえながら鋭意、研究を進める。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
2017年4月、研究代表者が勤務校で学部長に就任したため、研究のための時間があまり取れなくなり、少し遅れ気味である。
|
Strategy for Future Research Activity |
今年度は、昨年度の遅れを取り戻し、さらなる進展を期す。引き続き、資料収集や分析等を行う。なお、手術を含む臨床研究への誘因との比較も行う。
|
Causes of Carryover |
分担者である村岡潔氏(佛教大学教授)が事情により、使用しなかったため。当該額は2018年度に同氏によって使用される予定である。
|
Research Products
(7 results)