2019 Fiscal Year Annual Research Report
Research on decision process for recomendation grade in clinical practice guidelines
Project/Area Number |
17K08941
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Research Institution | Teikyo University |
Principal Investigator |
濱島 ちさと 帝京大学, 医療技術学部, 教授 (30286447)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | 診療ガイドライン / 推奨グレード / 利益不利益バランス / 意思決定モデル / 多元的判断分析 / 階層評価法 |
Outline of Annual Research Achievements |
我が国における診療ガイドライン作成において、推奨グレード決定プロセスの透明化・標準化検討するための標準的方法を確立することを目的とし、国立がん研究センターの子宮頸がん検診ガイドライン作成においてMultiple Criteria Decision Analysis(MCDA)の応用を検討した。①子宮頸がん検診について、GRADEの推奨決定要因である利益(有効性)、利益不利益バランス、医療資源、患者価値観の4点についてシステマティックレビューを行った。この結果に基づき、細胞診、HPV検査(医師採取、自己採取)、HPV検査と細胞診併用による子宮頸がん検診の推奨グレード決定に向けて、科学的根拠を相対的に評価するためAnalytic Hierarchy Process(AHP)による調査を行った。②2つの評価モデルを作成した。モデル1は、利益(浸潤がん罹患率減少効果)と不利益(偽陽性、過剰診断)を含み、モデル2として利益、不利益に医療資源(費用、婦人科医)、価値観(受診意欲、心理的不安)を加えた。ガイドライン作成委員会メンバーの個々の評価をスコア化し、全体で統合したスコア値を検診手法別に求めた。③優先順位は、モデル1では細胞診単独法、HPV検査単独法(医師採取)、細胞診・HPV検査併用法、検査単独法(自己採取)であった。次に医療資源、価値観を加えたモデル2では、細胞診単独法、HPV検査単独法(自己採取)、HPV検査単独法(医師採取)、細胞診・HPV検査併用法であった。④子宮頸がん検診では検討された4方法については有効性が確立している。従って、4視点を踏まえ、細胞診とHPV検査単独法を最良の推奨グレードとし、併用法を次善の方法と判断した。⑤MCDAを導入することで、評価のスコア化による透明性の確保、患者や臨床医など異なる立場の意見を公平に反映が可能となった。
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