2017 Fiscal Year Research-status Report
可塑性関連プロテアーゼ・ニューロトリプシンによる痛覚・痒み感覚の修飾
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17K09047
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Research Institution | Hyogo Medical University |
Principal Investigator |
山中 博樹 兵庫医科大学, 医学部, 講師 (20340995)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | ニューロトリプシン / 脊髄後角 / 後根神経節 / 疼痛伝達 / ネットワーク / シナプス可塑性 / 細胞外基質蛋白 / タンパク分解 |
Outline of Annual Research Achievements |
ニューロトリプシン発現細胞の特徴を決定する事に集中した実験を行った。そのためにラット腰髄を用いてニューロトリプシン のin situ hybridization(ISH)法を行った。定量的な解析を行うための条件検討を確定させた。この結果、後角ニューロンの一部でのニューロトリプシン発現が明らかとなった。脊髄後角への投射元である後根神経節にもこのニューロトリプシンを検出したため、ISH法を行ったところ、一部のニューロンでの発現を新たに確認した。予備実験的に神経傷害性モデルの後根神経節を使用したところ、ニューロトリプシンの発現増加を認めた。これにより本研究課題のターゲットである後角のタンパク分解候補因子として検討する対象である事がわかった。則ち脊髄のニューロトリプシンと後根神経節からのニューロトリプシンを同様に検討しなければならないことが解った。また脊髄のニューロトリプシンは一部のニューロンでの発現である事がわかり、定量的なデータを得ることができた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
予想外の部位に本研究課題のターゲット因子であるニューロトリプシンの発現を検出し、本課題のテーマのタンパク分解の因子として候補因子として加えるという必要性が生じた。また脊髄後角での定量に要するサンプルの準備や免疫染色・ISH法の二重標識の至適条件の決定に時間を要した。
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Strategy for Future Research Activity |
今年度の遅れた部分をフォローし、次年度前半に脊髄後角での定量的解析を終える。各種疼痛モデルにてニューロトリプシンの発現変動を確認する
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Causes of Carryover |
脊髄後角でのニューロトリプシン活性の意義を検討する本研究課題において、脊髄後角の主要投射元である後根神経節でのニューロトリプシンの発現が関わらない事を示す除外実験において予想外に多い後根神経節でのニューロトリプシンの発現を認めた。これが本研究に関わる可能性を検討するために後根神経節での発現細胞を確定させる必要が生じた。このため後根神経節のサンプルを別途準備し、組織学的検討を行う事に時間を要した。これが脊髄後角での解析を遅らせる原因となった。次年度において今年度に予定していた定性的解析に用いるマーカー抗体を使用した実験に必要となる消耗品の購入等に使用する予定である。
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